(CNN) ハリウッド映画を基にした意外な発想のテーマパークの建設計画が各地で進んでいる。米メディア大手20世紀フォックスはこのほど、「20世紀フォックス・ワールド」テーマパークなどの新たな建設地として、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイを選んだことを明らかにした。
開業予定は2018年。乗り物やアトラクションは映画「タイタニック」、「エイリアン」のほか、家族向けの色合いが強い映画「アイス・エイジ」やテレビ番組「シンプソンズ」など、同社のヒット作品に基づいたものとなっている。
タイタニックといえば映画化される前は20世紀有数の悲劇で、テーマパークの題材にはふさわしくないとの見方もあるかもしれない。だが20世紀フォックスの消費者製品部門を統括するジェフリー・ゴッドシック氏は声明で、これは「没入型の体験」であり、「タイタニックに乗船しているのがどのような気分だったのかを正確に」来場者に感じてもらうのが狙いだとしている。
テーマパークの題材としてさらに予想外なのは血みどろの戦いだ。米映画大手ライオンズゲートは同社の映画「ハンガー・ゲーム」を基にしたテーマパークを中国のマカオで18年までに、米アトランタ州とジョージア州でも19年までに開園する計画を発表した。
アトランタ州の施設は「ハンガー・ゲーム」シリーズの大半が撮影されたアバトロン・パーク内に建設される見通しで、ファンにとっては究極のテーマパークになりそうだ。一方、中国の施設は、マカオに建設が予定されている2万2000平方メートルの屋内「体験センター」の一部。「ハンガー・ゲーム」のほか映画5作品を題材にした乗り物が設けられる見込みだ。
待ちきれないというファンのためには、UAEで16年後半に開園される「モーションゲート・ドバイ」の一角でも、同映画のテーマパークが作られる予定だ。ライオンズゲートはまた、映画「トワイライト」シリーズを基にしたアトラクション施設の建設を計画中とも取り沙汰されている。
20世紀フォックス社がテーマパークに同社の名義を貸与するのは今回が初めてではなく、マレーシアにある「20世紀フォックス・ワールド」が最初。こちらはレジャー大手のリゾート・ワールド・ゲンティンと共同で建設が進められており、17年に開業予定だ。映画「猿の惑星」や「ナイト・ミュージアム」などを基にした乗り物25種類を扱う見通し。
フォックス社のドバイ施設の推定コストは明らかにされていないが、米紙ニューヨーク・タイムズによると、投資額は8億5000万ドルを超えるという。またドバイのアル・アハリ・ホールディングと新たに契約を結び、別の場所でもフォックス社のブランドを持つリゾート施設3件が開園する見込みだ。
ただ、ドバイやマレーシアの施設にはフォックス社で最も成功した映画「アバター」は登場しない。ジェームズ・キャメロン監督のこの冒険映画はすでに、ウォルト・ディズニー・パークス・アンド・リゾーツに使用ライセンスが付与されている。
ディズニー社は8月、米フロリダ州にある同社のテーマパーク「アニマル・キングダム」内に17年に建設予定の、「パンドラ――アバターの世界」に関する詳細を新たに公開した。また同時に、SF映画「スター・ウォーズ」のテーマパークをフロリダ州とカリフォルニア州に建設することも発表。「単一テーマに基づく拡張としては過去最大」となるとしているが、完成時期はまだ公表されていない。
2015年はテーマパーク関連のニュースが相次ぐ記録的な年となったが、来年以降もこの流れは続きそうだ。