トルコ側に緊張緩和模索の動き ロシアは経済制裁へ

トルコのダウトオール首相

2015.11.28 Sat posted at 11:48 JST

(CNN) トルコ軍機によるロシア軍機撃墜をめぐり双方の緊張が高まるなか、トルコの指導者の一部からは27日、緊張緩和を模索する動きが出てきた。一方、ロシアは同日、トルコに対する事実上の経済制裁を発表した。

トルコのダウトオール首相は27日、英紙タイムズに融和的な内容のエッセーを寄稿。ロシア機の撃墜は「特定の国に向けた行為ではなかったし、今もそうだ」「我が国の領土を守るための措置はこれからも続くが、トルコはロシアや同盟国とともに緊張緩和に向けた取り組みを進めていく」と述べた。

同首相また、トルコとロシアが対立すれば、勝者となるのは過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」だと指摘。今はISISに立ち向かう時だとしたうえで、「米国、欧州連合(EU)、ロシア、トルコなどの国のさまざまな力を活用して集団的に行動すれば、情勢を変えことが可能であり、またそうなるだろう」と述べた。

またクレムリン(ロシア大統領府)は27日、トルコのエルドアン大統領が、パリで行われる国連気候変動会議の場で30日にプーチン大統領と会談することを要請してきたと明かした。クレムリンのペスコフ報道官は、プーチン大統領はこの要請を知っていると述べたが、受け入れるかどうかには言及しなかった。

こうした歩み寄りの姿勢とは対照的に、エルドアン大統領とプーチン大統領はここ数日、強い言葉で非難の応酬を繰り広げ、互いに謝罪を求めてきた。またロシアは、トルコに対する事実上の経済制裁に踏み切っている。

ロシアのプーチン大統領

エルドアン大統領は27日、トルコは撃墜された軍用機がどの国のものか当初は知らなかったと主張。「トルコは意図的にロシア機を狙ったわけではなく、領空侵犯への自動的な対応に過ぎない」などと述べた。

一方、ロシア国防省はウェブサイト上で、撃墜前に起きたとする状況の詳細を発表。同省は、レーダー基地からの観測データを提示したうえで、データは「撃墜作戦が事前に計画されたことを示している」と述べ、撃墜は「不意打ち」だったとした。また他のデータから、トルコのF16機がシリア領空内におり、ロシアの爆撃機は「トルコ国境を越えなかった」と「証明」されているとも指摘した。

またロシアのラブロフ外相は27日、モスクワで、トルコとの間のビザ(査証)なし渡航制度を来年1月1日から停止すると発表。発表前には記者団に対し、ロシア国民を含む戦闘員らがトルコ経由でシリアに行き来するのを防ぐのにトルコが協力的でないとして、不満をもらした。

またメドベージェフ首相は、トルコに対する一連の経済措置を策定するよう関係閣僚に命令。トルコから輸入される食料品や農産物に対する管理の強化を農相が発表したほか、ウリュカエフ経済発展相はツイッターで、ロシアとトルコが共同出資する天然ガスパイプラインや原発も標的となると明らかにした。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。