(CNN) 相次ぐスキャンダルに揺れる国際サッカー連盟(FIFA)が、総額140万ドル(約1億7000万円)相当の腕時計を慈善団体に寄付することが明らかになった。
これらの腕時計は昨年、ブラジルのサンパウロで開かれたFIFAの会合に参加した幹部らに、ブラジルサッカー協会が贈ったもの。パルミジャーニ・フルリエの3万ドルの腕時計などが含まれていたが、FIFAの倫理委員会は、この寄贈が倫理規定に違反するとして、腕時計の返還を求めていた。
贈られた腕時計は全部で65個。このうち48個については受け取った幹部が返還に応じたため、慈善団体のストリートフットボールワールド(本拠ドイツ)に寄付された。腕時計は競売にかけられ、売却益はブラジルにおけるサッカーイベントに使われるという。
ストリートフットボールワールドの共同創立者であるウラジミール・ボルコビッチ氏は「今回の寄付はすべて、提携先のブラジルのコミュニティーに還元する」と述べた。
「この資金を社会改革につなげたい。何かいいことに生かせるはずだ」とボルコビッチ氏は付け加えた。もっとも同氏は個々の腕時計について、正価の3万ドルよりも高い値がつくことはないと考えている。
一方FIFAは21日、倫理委による調査結果を受け、ブラッター会長とプラティニ副会長への制裁措置を求める方針を明らかにした。現在両氏はともに暫定的な職務停止処分を受けている。
プラティニ氏の弁護士によれば、倫理委は同氏の永久的な活動停止処分を求めているという。
ブラッター氏、プラティニ氏はともに、いかなる不正行為も行っていないと主張している。