(CNN) 米南部テキサス州アービングで自作の時計を学校へ持参したところ、爆弾と間違えられて逮捕されたイスラム教徒の少年、アーメッド・モハメド君(14)の家族が、市当局と学校に対して1500万ドル(約18億円)の支払いと謝罪を求めている。
一家の弁護士によると、家族はモハメド君が心に深い傷を負い、国際社会での名誉を将来にわたって損なわれたと話している。
事件はソーシャルメディア上で大きく拡散され、オバマ大統領がホワイトハウスのイベントに招待したり、カタールの財団が奨学金の提供を申し出たりするなど、少年への多くの支援の声が寄せられていた。だが、家族は訴訟も辞さない構えだ。
同弁護士は市と学校区にそれぞれ書簡を送り、モハメド君の市民権が侵害されたと主張した。
同弁護士は、当局がモハメド君を逮捕する際に容疑者の権利を告知する手順を踏まなかったと指摘。さらに、関係者はメディアを通してミスの隠ぺいを図り、責任をモハメド君に押し付けようとしたと批判している。
モハメド君がこうむった不利益は無数にあるとして、インターネット上のブログにモハメド君の顔と国際テロ組織アルカイダの指導者オサマ・ビンラディン容疑者を重ねた画像が投稿されたこと、「時計少年」に仮装するハロウィーン用の衣装が売り出されたこと、モハメド君のきょうだいが嫌がらせを受けたことなどを挙げた。
モハメド君の家族は当局側が60日以内に支払いと謝罪に応じない場合、民事訴訟を起こすとの構えを示している。
市当局はCNNの取材に対し、書簡の内容を検討していると述べた。学校区の報道担当者も書簡が送られたことは認識していると語ったが、どちらからもそれ以上のコメントはなかった。