ISIS戦闘員、興奮剤飲み交戦に参加か 戦意維持の効用

ISISの戦闘員はアンフェタミンが含まれる錠剤を飲み戦闘などに臨んでいる?

2015.11.21 Sat posted at 17:20 JST

(CNN) 米政府当局者は21日までに、掃討作戦を続ける過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の一部の戦闘員が覚せい剤にも使われるアンフェタミンが含まれる錠剤を飲み、戦闘などに臨んでいると見られると述べた。

この錠剤は「キャピタゴン」と呼ばれ、活力を高め、気分を高揚状態にさせると言われる。ISISに入り1年以上戦ってきたと主張する19歳の戦闘員は昨年、CNNの取材に応じ、「幻覚症状を生む錠剤を与えられた。これを使えば生死などどうでもよくなる心理状態になる」と証言していた。

この男性の戦闘員はシリア北部で少数派クルド人の武装組織に拘束されていた。男性の証言の真偽は不明となっている。

キャピタゴンを使えばより長時間の戦闘への従事や戦意の維持が可能ともされる。米国の非営利の政策研究機関「民主主義防衛基金」の関係者によると、ISISの前身組織であるイラクのアルカイダ系組織は戦闘員にアンフェタミンを摂取させ、撃たれても痛みに耐えられる状態に追い込んでいたとされる。

国連薬物犯罪事務所によると、シリアの反体制派武装組織などはキャピタゴンの製造や密売で稼いでいる。麻薬密造業者はキャピタゴンのロゴをつけた偽造品もつくっているという。

ペルシャ湾諸国中心に需要も旺盛なため利ざやが多いという

米財務省で以前テロ組織の資金源を追っていたマシュー・レビット氏によると、キャピタゴンの製造コストは高くなく、ペルシャ湾諸国中心に需要も旺盛なため利ざやは多い。シリアやレバノンでは過去数年、生産量が増大し、シリアでは聖戦主義者の活動資金源になっているとの情報もあるという。

過激派の薬物利用はイスラム純潔主義の立場とは相いれないともみられるが、戦闘に赴くとの大義名分でこれを正当化している可能性もある。民主主義防衛基金の関係者は聖戦に参加する道具と理解すれば容認されると思い込んでいると指摘した。

治安当局筋によると、レバノンのベイルート空港で数週間前、サウジアラビアの王族の一員が専用機を使って麻薬の国外に運び出そうとして拘束される騒ぎがあった。レバノンの国営通信社によると、王族の一員は逮捕されたサウジ人5人の1人で、キャピタゴン約2トンのサウジへの密輸を企てた容疑に問われている。

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