(CNN) 今月13日に発生したパリの同時多発テロでは、コンサートホールやスタジアム、レストランなどが襲われ、100人を超える死者が出た。襲撃現場に居合わせながらも助かった人もいた。そんな生存者の1人、イソベル・ボーダリーさん(22)にCNNが話を聞いた。
南アフリカ・ケープタウン大学の卒業生であるボーダリーさんが、コンサートホール「ルバタクラン」での目撃談をフェイスブックに投稿すると多くの反応があった(投稿は現在、一般公開されていない)。
投稿によれば、その日の夜は、いつもの楽しいロックコンサートのように始まった。コンサートホールの入り口から襲撃者が入ってきたときも、最初は皆、演出の一部だと思ったという。
しかし、混乱はすぐさま恐怖へと変わった。
ボーダリーさんは投稿に、「あれはただのテロ攻撃ではなかった、あれは殺戮(さつりく)だった」と書いている。
ボーダリーさんが立っていた周囲の人々にめがけて銃撃がなされた。
混乱のなか、ボーダリーさんは1時間以上死んだふりをし、「息を止め、動かないようにしながら」、なんとか生き延びた。
ボーダリーさんはCNNの取材に対し、そうした瞬間にどう対処したのか語った。
「重要だったのは、もし死ぬなら、もし次の銃弾が私に向かってくるなら、愛していると伝えて、行きたかった。だから、これまで愛した全ての人に愛していると伝えた。そうして、死んでも大丈夫だと感じた。心の中には愛があったから」
ボーダリーさんはフェイスブックへの投稿のなかで、「(生き残った)私たちは、それぞれの人生を全うしなくてはならない。今回の悲劇に遭った罪のない犠牲者たちは、そうした人生を生きたいと夢見ていたにもかかわらず、もうその願いをかなえることができないのだから」とも述べた。
ボーダリーさんの投稿は、悲劇の後で生存者を助けた人々と警察への感謝で終わっている。この夜の襲撃では、コンサートホールだけでも約80人の死者が出た。
極限状態のなか、心に浮かんだこととは