国際陸連、ロシア陸連の資格を暫定停止 五輪出場に暗雲

国際陸連がドーピング問題でロシア陸連の資格を停止

2015.11.14 Sat posted at 13:48 JST

(CNN) ロシア陸上界の組織的ドーピング問題に関連し、国際陸上競技連盟(IAAF)は13日、ロシアを暫定的に資格停止とする措置を下した。この措置により、ロシア陸連は無期限の間、国際大会に出場できなくなり、来年のリオデジャネイロ五輪にも影響が及ぶ可能性がある。

IAAFのセバスチャン・コー会長は「今回の決定は恥ずべき警鐘だ。我々はいかなる水準での不正も許さない姿勢を明確に打ち出している」と言明。ロシア陸連の暫定資格停止は現時点で最も厳しい処分だとしたうえで、「ロシアだけでなく世界中で、システム全体がアスリートを見捨てる結果になっていることについて議論し合意した」と述べた。

テレビ会議で行われた投票では、24人が賛成、1人が反対。ロシアは投票を認められなかった。

今回のIAAFの決定は、世界反ドーピング機関(WADA)が作成を依頼し、ロシア陸上界にまん延するドーピングについて詳述した報告書を受けたもの。

WADAの報告書をまとめたディック・パウンド氏

同報告書では、アスリートやコーチ、医者、研究員のほか、国家そのものも含め、ロシア陸上界の「あらゆるレベルで不正の文化が深く根付いている」と言明。中でも、アスリートが競技外薬物検査の事前通知を受けたり、ドーピング管理に携わる関係者に賄賂を渡して他の検査を回避するなどといった不正が頻繁に行われている点を指摘している。

報告書ではまた、ドーピングの証拠となるサンプルの検査を担うモスクワの検査所の運営に影響を与えるため、ロシア連邦保安局(FSB)が脅しをかけたと批判。同検査所のグレゴリー・ロトチェンコ所長について、「ドーピング活動の支援者であり教唆者」だとしたほか、WADAの勧告に反して1400本以上の検査サンプルを破棄したとして同所長を批判している。

ロシア国営スプートニク通信によると、プーチン大統領は独自の調査を行うとともに、複数のスポーツ連盟の調査に協力する意向を表明。また同通信は13日、ムトコ・スポーツ相の話として、ロシアにドーピング問題があることは認めるものの、すべての選手が罰せられるべきはないと伝えた。

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