ワシントン(CNN) 米国防総省は12日、米軍が同日夜に過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の人質殺害映像に覆面姿で登場していたムハンマド・エムワジ容疑者を標的に空爆を実施したと発表した。
英国籍のエムワジ容疑者は「ジハーディ(聖戦主義者)・ジョン」とも呼ばれ、殺害映像に度々登場し欧米首脳を愚弄(ぐろう)していた。
空爆が成功したかどうかは不明。米政府高官は当局がエムワジ容疑者の殺害に自信を持っていると語った。米国が今回の空爆を発表したのは、エムワジ容疑者が広く知られる存在のためだという。
この高官はまた、今回の作戦が「粘り強い諜報(ちょうほう)活動」の結果であり、事前にエムワジ容疑者と認識して攻撃したと強調した。
別の当局者は、空爆は無人機で行われ、エムワジ容疑者は攻撃の際車中にいたと明らかにした。
国防総省のクック報道官は声明で、「今夜決行された作戦の成果を検証中だ」と述べた。
エムワジ容疑者は米国人ジャーナリストのスティーブン・ソトロフさんやジェームズ・フォーリーさん、日本人ジャーナリストの後藤健二さんのほか、米英の支援団体職員を含む多くの人質の殺害映像に登場。クウェート出身とみられる同容疑者は英語を話し、英国特有のアクセントがあった。
英政府は米国から作戦の通知を受け、エムワジ容疑者に殺害された犠牲者の家族に作戦を伝えた。
今年に入りしばらくの間、エムワジ容疑者は映像から姿を消していたが、米当局者はCNNの取材に対し、同容疑者は生きていて、ラッカ付近に隠れていると語っていた。