ビール腹は肥満より危険? 男性の死亡リスク2倍に 米研究

お腹が突き出た体形には、BMIで測れない健康リスクが潜むという

2015.11.12 Thu posted at 11:38 JST

(CNN) おなかが突き出たいわゆる「ビール腹」体形の男女は、たとえ手足が細くても、肥満の男女より糖尿病や心臓病のリスクが大きい――。そんな研究結果が内科学会誌に発表された。

肥満が心臓発作や脳卒中、糖尿病、がんなどのリスクを増大させるというのは周知の事実。これまでは肥満をコントロールする目的で、身長と体重から算出するボディーマス指数(BMI)の数値が着目されていた。

しかしBMIの数値でたとえ「健康」と判定されても、下腹に脂肪が付きすぎている場合は注意を要することが、今回の調査で明らかになった。

米ミネソタ州にあるメイヨー・クリニックなどの研究チームが1万5000人あまりのデータを調べた結果、ビール腹体形の男性は単なる肥満や太りすぎの男性に比べて死亡リスクが2倍になることが判明。女性の死亡リスクも1.5倍の高さだった。

以前に行われた調査では、ウエストとヒップのサイズ比の数値が大きいほど糖尿病や脳卒中、心臓病にかかるリスクが高まることも判明していた。

ビール腹解消には適度な運動を習慣づけることも重要だ

おなかが出ているとなぜ健康にとって致命的なのか? 胃の周りにたまった皮下脂肪は体内に浸透して重要な臓器を包み込み、肝臓でコレステロールに変換されて血中に送り込まれる。このコレステロールが動脈に蓄積すると動脈硬化が進み、心臓発作や脳卒中を引き起こすと考えられるからだ。

皮下脂肪がたまるとインスリン抵抗性も高まり、2型糖尿病など慢性疾患の原因にもなる。

ビール腹解消のためには加工食品を避けて肉を減らし、野菜や果物の摂取量を増やすなど健康的な食生活を心がけ、適度な運動を習慣にする必要があると専門家はアドバイスしている。

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