カブール(CNN) アフガニスタン南部ザブール州で先週末、子ども3人を含む7人が過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」に首を切断され殺害された事件をめぐり、首都カブールでは11日、政府の対応を批判する数千人規模のデモが発生した。
在アフガニスタン国連事務所によれば、犠牲者たちは先月誘拐され、6日から8日にかけて首を切断されて殺されたという。
7人のひつぎとともに群衆は大統領府に押し寄せ、国民を守れなかったとして政府を批判した。ブロガーでデモを組織したモルタザ・モシラフィ氏によれば、デモ隊はガニ大統領と面会し、現状について話し合うことを求めていたという。
デモ隊の大半は平和的な抗議を続けたが、一部が大統領府に押し入ろうとしたため、治安部隊が威嚇射撃を行った。保健省の発表では、流れ弾が当たった男性など7人がけがをした。
デモを受けてガニ大統領は国営テレビとツイッターで国民に団結を呼びかけた。
「彼ら(ISIS)は国民の分断を狙って悪意ある行為をしかけている。犯人に復讐(ふくしゅう)し、裁きを受けさせるには私たちの団結が必要なことを忘れてはならない」
犠牲者となったのはモンゴル系イスラム教徒で少数民族のハザラ人だ。政治家で遺族の代理人を務めるズルフィカル・オミド氏によれば、3月にカブールと南部カンダハルをつなぐ高速道路で31人が連れ去られる事件が起きて以降、ハザラ人の拉致事件が相次いでおり、これまでに少なくとも53人が拉致されている。
10日にはザブール州の隣のガズニ州で8人が救出されたが、それでも政府の対応への不満は高まっている。犠牲者の遺体は埋葬されず、ガズニ州の知事執務室、そしてカブールへと運ばれた。オミド氏は「怒りを示すためにカブールの大統領府に遺体を(運んだ)」と語った。
アフガン大統領府前で数千人が抗議デモ