ニューヨーク(CNNMoney) 米国で男女間の給与格差が依然存在し、たとえ仕事の内容は同じでも、女性の方が男性に比べて給与が少ない実態が最新調査で改めて浮き彫りになった。
調査会社のペイスケールが米国の就労者100万人あまりの給与について調べた結果、就労者全体では、男性の給与1ドルにつき女性の給与は74セントにとどまることが分かった。
主な原因として、女性が多い職種は男性が多い職種に比べて給与が低いことが挙げられる。米国ではソーシャルワーカーや秘書、看護師として働く女性が多いのに対し、男性は管理職や技術者、IT専門職として採用されることが多い。
また、女性の給与が男性を上回る業界は存在せず、昇進するほど男女の差は拡大する傾向があることもわかった。
肩書きや業界、経験年数、勤務地、子供の数といった条件がまったく同じでも、給与は男性の1ドルにつき女性は97セントと、小幅ながら依然として差があった。
学校を卒業して就職したばかりの時点では男女の給与にそれほどの差はないものの、女性が昇進して経営陣に上り詰めるまでの間に格差が拡大していくことも判明した。
CNNMoneyの調査によれば、S&P500社を構成する大手企業の最高経営責任者(CEO)のうち、女性が占める割合はわずか5%。経営トップ5人の中でも、女性の比率は16.5%にとどまる。
アフリカ系米国人など少数派(マイノリティー)の女性の場合、男性との格差はさらに大きい。白人男性の給与1ドルにつきアフリカ系女性は約64セント、ヒスパニック系女性は約54セント足らずだった。