(CNN) エジプト・シナイ半島で起きたロシア機の墜落直前に、米衛星が現場上空で強烈な熱を観測していたことが分かった。機上で爆発が起きた可能性も視野に、原因調査が進められている。
ロシア・コガリムアビア航空9268便(エアバスA321―200型機)の墜落原因をめぐっては、依然としてさまざまな説が飛び交っている。
民間の航空情報サイト「フライトレーダー24」によれば、墜落機は信号が途絶える直前、高度と速度が急激に落ちていた。管制への救難信号はなかったとされる。
米当局者がCNNに語ったところによると、墜落直前に空中で瞬間的に強い熱が発生したのを米軍の衛星がとらえていた。
情報当局は同機がミサイルで撃墜された可能性を排除しているが、機上で爆弾やエンジン故障による爆発、構造上の問題による火災など、何らかの破壊的な現象が起きたとの説が検討されているという。
飛行データや操縦室内の音声を記録したブラックボックスは、良好な状態で回収された。エジプト当局者らは最初に現場検証を済ませた後、ブラックボックスの解析作業に入るとの方針を示してきた。カマル民間航空相は3日、検証作業は同日夕までに完了すると発表した。民間航空省によると、専門家チームが2日からデータの回収作業を始めている。
ロシアのインタファクス通信はカイロの情報筋の話として、音声記録装置には墜落直前、「予想外」の「異常な」事態が突然発生したことを示す音が入っていたと伝えた。
ロシアの航空当局は機体が空中分解したとの見方を示している。こうした音声からその原因が特定できる可能性も出てきた。
ロシアの国営メディアがこれまでに伝えたところによると、残骸の中から爆発物の痕跡は見つかっていない。匿名の情報筋によれば、収容された遺体にも今のところ、爆発に関連した外傷はみられないという。