グアンタナモ収容所の最後の英国市民、14年ぶりの帰国

グアンタナモ米海軍基地の収容所にいた最後の英国市民が釈放された

2015.10.31 Sat posted at 14:13 JST

(CNN) キューバのグアンタナモ米軍基地にあるテロ容疑者の収容施設に拘束されていた最後の英国市民が釈放され、30日に英国に帰国した。

釈放されたのはシャケル・アーメル氏。アフガニスタンで2001年、懸賞金がかけられて拘束され、米国に身柄を移送されていた。07年に釈放可能と判断され、8年後の今月30日、ついに英国に帰国した。

アーメル氏は30日、「私が強い気持ちでいられたのは、真実を強く追求する人々の支援のおかげ」と声明で述べ、神や妻、家族、子どものほか、担当弁護士に感謝の意を表した。

また自身の正当な処遇を求め、グアンタナモ基地にある収容所の閉鎖を要求してきたすべての人を称賛。「彼らが戦っていることを知らなければ、一度ならず諦めていただろう。人々が行動、考え、祈りによって成し遂げたことに感銘を受けている。正義を求める彼らの献身的な姿勢がなければ、私はいま英国にいないだろう」とも述べた。

グアンタナモ収容所の内部

英外務省は、アーメル氏が英国に戻ったことを確認。外務省の当局者は、同氏の釈放が英国政府の長年の政策目標だったとしたうえで、「釈放を歓迎する。グアンタナモ基地の収容施設を閉鎖するというオバマ米大統領の公約を引き続き支援していく」と述べた。

米国はアーメル氏が敵対戦力の兵士であり、国際テロ組織アルカイダの元最高指導者オサマ・ビンラディン容疑者の側近だったとしている。グアンタナモ基地に移送される前に自白したともされる。

ただ、家族や支持者は、アーメル氏はアフガンで慈善事業に従事していたと主張。ロンドンに拠点を置く人権団体「リプリーブ」は自白について、拷問によって得られたものだとしている。

グアンタナモ収容所の最後の英国市民、14年ぶりの帰国

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。