(CNN) 米政府の情報収集活動を暴露し、現在ロシアに亡命中のエドワード・スノーデン元米中央情報局(CIA)職員をめぐり、欧州議会は29日、スノーデン元職員の米国への送還を防止するよう加盟国に求める決議を可決した。
この決議には法的拘束力はない。
決議では加盟各国に対し「内部告発者として、国際的な人権擁護活動家としての同氏の立場を認め」て刑事訴追を取り下げるとともに「その結果として第三国による送還もしくは引き渡しを防ぐ」ことを求めている。
スノーデン元職員は米国家安全保障局(NSA)の大規模な情報収集プログラムに関する資料を漏洩(ろうえい)し、2013年に米国を離れた。
短文投稿サイトのツイッターで、スノーデン元職員は今回の決議について「大きな変化をもたらすもの」だと述べた。
その上で「これは米政府への打撃にはならないが、友人たちから差し伸べられた救いの手だ。前進するチャンスだ」と記した。
米司法省によれば、スノーデン元職員が帰国すれば刑事訴追を受けることになる。元職員は3つの罪状ですでに起訴されている。
スノーデン元職員は今月、英BBCに対し、亡命先のロシアから戻る条件として米国で服役する用意があることを米政府に「何度も」伝えているにもかかわらず、回答が得られていないと語った。
今回の決議について米国務省のカービー報道官は、スノーデン元職員に対する米政府の方針は変わらないと述べた。
カービー報道官は元職員は帰国してきちんと裁判を受けるべきだと指摘するとともに、「それが最初から米政府の立場だ。米国の安全保障を大いなる危機に陥れた人物であり、その責任を追う必要がある」と述べた。