中国、一人っ子政策に終止符 高齢化受け「2人目」容認

中国政府は1970年代から続く「一人っ子政策」を近く撤廃する見通し

2015.10.30 Fri posted at 10:45 JST

(CNN) 中国の国営新華社通信は29日、1970年代から続いてきた「一人っ子政策」の事実上の撤廃が近いことを伝えた。今後は1組の夫婦につき2人の子どもを持つことが認められるという。

新華社は共産党が発表したコミュニケを引用し「バランスの取れた人口増加を推進するため、中国は人口統制に関する基本的な国策を維持しつつ、人口開発に関する政策を改善する」「高齢化問題の予防的対応として、中国は『1夫婦につき2人の子ども』政策を完全実施する」と伝えた。

この政策転換は、4日間にわたる中国共産党の重要会議、中央委員会第5回全体会議(5中全会)の後に発表された。

中国の人口は現在、13億人以上。一人っ子政策は人口増加を抑制するために1970年代に始められた。

政策に従わない人々に対し、地方政府の役人たちは時に堕胎や不妊手術を強制したり、重い罰金を課すなどしてきた。

今後の中国経済にとって、高齢化は深刻な課題になるとみられている

中国政府は昨年1月、両親のいずれかが一人っ子の場合には2人目の子どもを持つことを認める「規制緩和」を行っていた。だが今年1月に公表された調査によれば、2人目を望む人々の数は予想を下回っている。

中国政府によれば、同国は15年後には60歳以上の人口が4億人を超え、世界で最も多くの高齢者を抱える国となる。

専門家によれば、高齢化は医療や社会福祉を圧迫し、世界第2の経済大国となった中国は今後、成長を維持するのが難しくなるという。

人口問題に詳しい復旦大学(上海)のワン・フェン教授は「一人っ子政策はのちに、中国近代史におけるまぎれもない失政の一つに数えられることだろう」と指摘した。

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