米国とロシア、シリア上空での危険回避で覚書

シリア上空での危険回避に向けた覚書を米ロがかわした

2015.10.21 Wed posted at 09:33 JST

ワシントン(CNN) 米国防総省とロシア国防省は20日、両国が空爆を続けるシリア上空で互いに危険を回避するための覚書を交わした。

シリア上空では最近、米軍機とロシア機が接近するケースもみられ、判断ミスによる事故などへの懸念が強まっていた。

覚書は同日発効した。国防総省のクック報道官が記者団に語ったところによると、双方が常にプロ意識に徹し、所定の周波数帯を使って通信し、地上での連絡手段を確立することなどが明記されている。今後の履行上の問題を協議するため、米ロ間で作業部会を設置する。

覚書の全文はロシア側の要請により非公開とされた。

ロシアは地中海沿岸を中心にシリア国内の7カ所に拠点を設置

ただ内容を直接知る米当局者によると、双方の軍用機が保つべき距離などは具体的に示されていない。

クック報道官はまた、ロシアとの共同戦闘区域の設置や、標的などに関する情報共有の取り決めは覚書に含まれていないと指摘した。

ロシアのシリア空爆はアサド政権への支援が主な目的とされるのに対して、米国主導の有志国連合は過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」への空爆に集中し、アサド大統領の退陣を主張している。

クック報道官は、覚書がロシアによる対シリア政策への協力や支持を意味する内容ではないことを強調。「シリアにおけるロシアの戦略が非生産的であり、アサド政権への支援は内戦の激化を招くばかりだという確信に変わりはない」との立場を示した。

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