パリ旅行で恋人ゲット? 市民から8つのアドバイス

パリ市民が旅行者にパリでの過ごし方をガイド

2015.10.24 Sat posted at 09:00 JST

パリ(CNN) パリは世界で最も人気が高い旅行先の一つだが、旅行客にとって難しい場所でもある。成人してからの大半をパリで暮らしてきたフランス人コメディアンのオリビエ・ジロー氏が、旅行客が心に抱きそうな8つの質問に答える。

スーツケースにはどんな服を入れれば良い?

心配しなくても大丈夫。パリ市民がきれいに見えるのはファッション関連のブログの中だけだ。みな同じ格好をしているので、男女の区別もつかない。黒しか着ないが、変わり者は多少グレーも入れる。

重要なのは暑くても寒くてもスカーフを着用すること。あとはいつも黒いパンツか濃い青色のジーンズで大丈夫だ。スカートをはいている女性がいれば、それは外国人だろう。ミニスカートをはいているのは英国人だ。ドイツではないのでサンダル姿で靴下はいけない。

好きな格好で来てもらえれば、カラフルな服でパリに幸せにしてくれるだろう。

パリにはお店がたくさんある?

パリには数千軒のお店がある。ショッピング地域として最も有名なのはシャンゼリゼ、シャトレ、サンジェルマン、モンパルナスだ。ただ、良いサービスを期待してはいけない。

入店するときに「ボンジュール」と言ってはだめだ。店員から変な人だと思われるだろう。店員のアドバイスを期待するのも無理だ。フェイスブックの更新に忙しくて助けてもらえないだろう。

服が似合うかを店員に聞いて、「コンドームを着たニワトリのようだ」と言われてもショックを受けてはいけない。

そう、あなたは必要なものを探して、さらにズボンを7本、シャツを8着、靴なら10足選ぼう。そして試着室に行き、それらを床に置いていこう。客が拾い上げる必要はない。店を出る際のあいさつもいらない。

喫煙を我慢するくらいなら寒くても外で食事をする?

パリでは喫煙者が多い?

パリは巨大な灰皿のようなもので、あらゆる場所で喫煙している。年を取っていたり、ぜんそく持ちだったり、あるいは妊娠していても不満を漏らすことはできない。たばこが苦手な人は別の場所に行った方が良いだろう。

レストランでの喫煙は2008年以来、法律で禁じられている。そのせいで、喫煙者はみな冬でも屋外のテラスで食事をしている。禁煙するくらいなら風邪を引いた方がマシのようだ。ただ、電子たばこなら店内で吸っても大丈夫だ。

パリで恋人は見つかるか?

もちろん、多くのパリっ子が旅行客や外国人の恋人を探している。ただ、付き合う前には少し注意が必要だ。

パリで恋人を探す場合、デートをする必要がないことを押さえておこう。そんな暇はないからだ。もし誰かが見つめて笑いかけてきたら、大チャンス到来の合図だ。

家で最後の一杯を飲もうと誘われた時は注意が必要。「最後の一杯」の意味はパリでは一つしかない。だから「ありがとう、のどが渇いていたんだ」などと間抜けな返事をしてはいけない。

パリにも地下鉄はある?

もちろんパリにも地下鉄がある。料金はわずか1.7ユーロ(約230円)。汗とニンニクと玉ネギと小便のにおいがするだろう。最高にロマンチックだ。気分良く「メトロ」に乗ったとしても、降りる頃には殺意を抱いているかもしれない。

メトロの駅を歩くのは早足で。そうでないと地元の利用者から文句が飛んでくることになる。

迷子になったとしても、道案内を期待してはだめだ。断られるか、間違った道を教えられることになる。ふざけていると思われるからだ。

焼きたてのパンとワインでセーヌ川沿いでピクニックも楽しい

流行のナイトクラブには簡単に入れる?

正直に言うと、大金を使うと思われていない限り、入るのは悪夢でしかない。女性ならフロントの店員にセクシーだと見られれば、確実に入れる。男性の場合、少し難しい。1人で行くと、常連でなければ入店できないと言われるだろう。遠回しに「くそ」と言われているのと同じことだ。一番いいのは、女性のグループに頼むことだ。

気持ちの良い夜を過ごしたければ、パブに行こう。地方から来た人たちに囲まれるかもしれないが、少なくとも楽しい時間を過ごすことができる。

パリの料理はおいしい?

パリではカエルのもも肉やエスカルゴ、ウサギの肉を食べているとよく勘違いされるが、この種の料理を食べるのは地方出身の農家だけ。パリで人々が食べているのは、シーザーサラダやタルタルステーキ、ハンバーガーだ。

旅行スポットの近くにあるレストランは避けよう。電子レンジで温めた冷凍食品が出てくる。

店員が来るまで、少なくとも10分は待つことを覚悟しておこう。サービスが遅いと苦情を入れたところで、手は2本しかないと言われるのが落ちだ。高額のチップを払わない限り、店員と親しくなることはできなさそうだ。

一番の方法としてアドバイスできるのは、カリッとした焼き立てのパンを買い、地元のスーパーでパテやソーセージを入手して、ワインを持ってセーヌ川を前にピクニックを楽しむこと。これが本当のパリだ。

パリ市民は英語を話せる?

少しは話せる。少なくともトライはしている。フランス人はみな、最低10年間の英語教育に耐えてきた。ただ、英語教師のフランス語なまりがきついため、外国人に話しかけられても本当には理解していない。ゆっくりと明瞭に、簡単な単語で身ぶりを交えて話してほしい。

パリ旅行の前に、フランス語の単語を少し勉強してから来るのがお勧めだ。ただ、「ボンジュール」「オールボワール(また今度)」などのような丁寧な表現を覚えてもだめだ。フランス人は使わない。

以上の答えが旅の役に立つことを祈っている。この美しい町であなたに会えるのを心待ちにしている。

本記事はフランス人コメディアンのオリビエ・ジロー氏によるものです。ジロー氏は1977年にボルドーで生まれ、18歳でパリに移住、その後、米フロリダ州でのレストラン経営を経てパリでコメディアンとして活躍しています。記事における意見や見解はすべてジロー氏個人のものです。

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