(CNN) シリア国内への空爆を続けるロシアのプーチン大統領は13日、同国のシリア内戦への関与が世界をテロから守るのに貢献しているとの認識を示した。一方シリアでは同日、首都ダマスカスにあるロシア大使館付近で、ロシア支持派の集会の開催中に迫撃砲弾2発が着弾する攻撃があった。
ロイター通信によれば、プーチン大統領はモスクワで行われた投資会合で、「我々はシリアでいかなる主導権を握ろうともしていない。シリアが持てる指導者は一人だけで、それはシリア国民だ」「我々の目的はテロとの戦いに貢献することだ。テロの危険性は米国やロシア、欧州諸国、そして全世界に及ぶといっても過言ではない」と述べた。
ロシアは2週間前、シリアでの空爆を開始していた。
米国防省のスティーブ・ウォーレン報道官は13日、ロシアの空爆について「無謀で無差別、無責任だ」と述べた。過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」を標的とした空爆は「ほんの一部に過ぎない」とする認識も示した。
共和党の重鎮、ジョン・マケイン上院議員らはCNNの取材に対して、緊張激化が進む現状について、米ロ間の「代理戦争」だと言及した。
一方、シリアの首都ダマスカスでは13日、ロシア大使館付近に迫撃砲2発が着弾した。ロシアの国営スプートニク通信によれば、大使館の外ではこのとき、ロシアを支持する人々の集会が開かれていたという。負傷者がいたか現時点では明らかでない。
シリアの国営シリア・アラブ通信(SANA)はこの集会について、シリア国民が「テロと真剣に戦うロシアの決意に感謝の念を示したものだ」としている。
シリア内戦をめぐっては現在、米国とロシアがそれぞれ競合勢力に兵器を供与している。米国は今週、シリア政権打倒を目指す反体制派勢力に50トン分の弾薬を供与した。