香港（ＣＮＮＭｏｎｅｙ） 米アップルが同社のスマートフォン「ｉＰｈｏｎｅ（アイフォーン）」などの携帯端末向けに提供しているニュースアプリ「Ｎｅｗｓ」について、中国での利用が不可能になっていることが１３日までに分かった。
現時点でアップルがＮｅｗｓをブロックしているのか、中国政府のネット検閲システム「グレートファイヤーウォ－ル（防火長城）」にＮｅｗｓが屈したのかは不明。
Ｎｅｗｓアプリはこれまで、米国でのみ公式に投入されており、英国や豪州でも試験運用されている。現在、米国のｉＰｈｏｎｅ所有者は香港を含む世界中の多くの場所でアプリを利用できているが、中国本土ではアクセスが不可能な状況だ。
ＣＮＮＭｏｎｅｙでは、中国にいる複数のｉＰｈｏｎｅ所有者にこれらの詳細を確認した。
中国の検閲がかからない香港の携帯電話網ネットワークでは、アプリは正常に作動する。だが、中国でネット接続して以前に表示した記事を開こうとすると、エラーメッセージが出る。
中国当局は欧米企業が提供する情報の検閲に余念がない
Ｎｅｗｓアプリをめぐる問題は、アップルなどの海外組織が中国で直面している問題を浮き彫りにしている。
中国政府は頻繁に情報を検閲しており、米検索大手グーグルや米交流サイト大手フェイスブックなどのサイトは国内で利用できない。
米紙ニューヨーク・タイムズなどの欧米メディアは、中国語版ニュースサイトの開発に多額の投資を行っている。だがこうした試みは、英語版での出版物も含め、幾度も中国当局の検閲に引っかかってきた。
中国当局の検閲に抵抗する企業は結果として、頻繁に罰則を受けている。アップルが議論を招くようなニュース記事を広く紹介すれば、中国での同社のより大規模なビジネスが危険にさらされる可能性がある。