NFL選手がMRSA感染で手術、耐性菌への不安広がる 米

多剤耐性菌のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)

2015.10.13 Tue posted at 12:40 JST

(CNN) 米国で耐性菌のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に対する不安が高まっている。米プロフットボールリーグ(NFL)の有名選手がこのほど感染し、何度も手術を受けなければならない状態になったと報じられたためだ。

報道によると、NFLニューヨーク・ジャイアンツのタイトエンド、ダニエル・フェルズ選手はMRSAに感染して重体となり、手術が必要になった。

MRSAはおよそ100人中2人の割合で鼻の中などに存在していて、大抵の場合は問題にならない。しかし人から人へと感染して死に至ることもあり、米疾病対策センターによれば、米国では2013年に約1万人がMRSA感染で死亡した。

感染初期は吹き出物や虫刺されのように見えることもあり、傷口ができるとそこから体内に侵入して血液や骨、心臓、肺などに感染する。切り傷や擦り傷、吹き出物のような症状があって発熱を伴う場合は医師の診察を受けた方がいいと専門家はアドバイスする。

病院では職員から患者への院内感染が問題になっているが、ここ数年で状況は大きく改善された。

MRSAへの感染が報じられたNFLニューヨーク・ジャイアンツのダニエル・フェルズ選手

スポーツ界ではNFLのように対戦相手と接触するスポーツのリスクの高さが指摘されている。NFL選手のMRSA感染は、フェルズ選手が初めてではないという。

米バンダービルト大学の調査によれば、接触スポーツの選手がMRSAに感染する確率は、非接触スポーツ選手の2倍に上る。また、スポーツジムの器具からMRSAに感染した事例も報告されているほか、感染源が分からないケースもみられる。

感染を防ぐためには切り傷や擦り傷、吹き出物のような症状に注意して、手はよく洗う必要がある。タオルやせっけん、かみそりなどを他人と共有するのは禁物だ。

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