(CNN) トルコの首都アンカラで10日朝、爆弾2個が爆発し、首相府の発表によると、少なくとも95人が死亡、246人が負傷した。負傷者のうち48人は集中治療室に入っているという。トルコでは近年、最悪規模の攻撃となった。同国政府は自爆テロとの見方を示している。
爆発は、平和集会が行われていたアンカラ中央駅付近で発生。クルド系政党の国民民主主義党(HDP)の支持者らが平和を呼びかけるデモ行進を行っていたさなかのことだった。クルディスタン労働党(PKK)とトルコ政府の間で再燃した紛争の終結を求めるもので、犠牲者の大半は、昼休みにデモに参加していた。現場には約1万4000人がいた。
トルコのダウトオール首相はテレビ演説のなかで、自爆テロ犯2人による爆破との見方を示した。首相は国民に対し、3日間、喪に服すことを呼びかけたほか、テロとの戦いを要請。「これは特定の集団を狙った攻撃ではない。トルコ全体と我々の団結に対する攻撃だ」と述べた。
トルコでは3週間後に総選挙を控えている。
爆発後には多くの死体がアンカラ中央駅の前に横たわった。爆風は強力で、衝撃により離れた距離にある高層オフィスビルも揺れた。死者数は今後、増えることが予想される。
現時点で犯行声明は出されていない。ただ、過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」のテロ集団か、国内のクルド人分離主義者の犯行が疑われている。ダウトオール首相は、自爆テロに関する警戒情報を受け、この3日間で容疑者2人を逮捕していたことを明らかにした。
トルコはISISとの抗争を避けてきたが、最近になって方針転換し、南部のインジルリク空軍基地を拠点にISIS空爆を行うことを米国に許可していた。