イスラエル軍が発砲、パレスチナ人7人死亡 ガザ

聖地を巡るパレスチナとイスラエル間の緊張が高まっている

2015.10.10 Sat posted at 13:27 JST

(CNN) エルサレムの聖地をめぐる緊張が高まる中、パレスチナ自治区ガザで9日、パレスチナ人とイスラエル国防軍(IDF)が衝突し、地元の医療組織によると、パレスチナ人少なくとも7人が死亡、60人が負傷した。負傷者のうち10人は重体。

衝突が起きたのは金曜礼拝の後。武装組織イスラム聖戦とイスラム組織ハマスが抗議を呼びかける中、抗議集団がガザ北部の国境フェンス付近に移動。イスラエル国防軍(IDF)によると、パレスチナ人200人がフェンスに近づき投石を開始したほか、IDFの兵士に向けて燃えたタイヤを転がした。

これに対しIDFの兵士が発砲し、ガザの医療組織によると、パレスチナ人3人が死亡した。ガザ南部のハンユニスでも衝突が起き、パレスチナ人少なくとも3人が死亡したという。7人目が死亡した場所は不明。

ヨルダン川西岸でも同日、パレスチナ人の女性1人が警官に殺害された。イスラエル警察は女性が警官の武器を取って襲おうとしてきたため、付近にいた警官に射殺されたと説明した。イスラエル南部と北部でも複数の襲撃があり数人が負傷している。

パレスチナ自治区の各地で衝突が発生

イスラエル政府は最近、エルサレムにあるユダヤ教とイスラム教双方の聖地(ユダヤ教徒の呼称は「神殿の丘」、イスラム教徒の呼称は「高貴なる聖域」)への立ち入りを規制。これを受けパレスチナ人の怒りが高まり、流血が相次ぐ事態に発展していた。この場所はこれまでも対立の要因となってきた。

ネタニヤフ首相は8日、テレビ演説を行い、ユダヤとアラブ双方の指導層に対し、緊張激化を回避するため聖地の訪問を避けるよう促した。ただ、別の発言では、ヨルダン川西岸を管轄するパレスチナ当局とガザ地区を実効支配するハマスが「扇動と中傷とうそ」を広めているとして流血の責任を問い、より強硬な姿勢を示した。

一方、パレスチナ自治政府のアッバス議長は今週初め、事態の激化を望まないと述べた。

聖地巡る緊張高まる

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