米軍戦闘機、シリアでロシア軍機と遭遇し初の回避行動

ISIS拠点への攻撃で使用されている米戦闘機F―16=米空軍

2015.10.08 Thu posted at 17:00 JST

ワシントン(CNN) ロシアが軍事行動を拡大するシリア情勢で米国防総省報道官は8日までに、シリア上空でロシア軍戦闘機と同一の空域内を飛行していた米軍戦闘機2機に対し安全な飛行距離の間隔を維持させる回避行動を取らせたことを明らかにした。

シリア情勢に関連し、米軍機がこの種の措置を講じたのはロシアが軍事介入を強めた先月末以降では初めて。回避行動の発生日時には触れず、過去数日間内とだけ述べた。

米国防総省高官はCNNの取材に、回避行動を取ったのはトルコ・インジルリク空軍基地を飛び立ち、シリア北部ラッカ近くの過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の拠点へ向かっていたF16型戦闘機2機と明かした。ロシア軍機を避けたため作戦は結局完遂出来なかったという。ISISはラッカを首都と称している。

同高官によると、ロシアによるシリア空域での活動拡大を受け、米軍機操縦士は20カイリ(約37キロ)内にロシア軍機を確認した場合、飛行ルートを変更させる指示を受けている。

米戦闘機はラッカ近くの拠点に向かっていたが、ロ軍機との遭遇で作戦を完遂できなかったという

米ロ両国機が至近距離に接近した事例は1件すでに発生したことも示唆した。この際、両機のパイロット同士が連絡し合った形跡はないという。

シリア情勢をめぐっては、米国とロシアは相互の安全飛行保障などに関する取り決めでまだ合意していない。このような状況下で、米軍操縦士はロシアに対し標準的な安全飛行の手続き遂行を期待出来ないとしている。

一方、米国務省のカービー報道官は7日、ロシア軍によるシリア内の空爆の90%以上はISISやアルカイダ系組織の拠点が標的ではなかったと主張。その多くはアサド政権打倒を狙う反体制派勢力の支配地が狙われたと強調した。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。