1日6時間労働で効率アップ スウェーデンで普及の兆し

6時間労働制の導入により、仕事の効率アップや従業員の意欲の向上が見込めるという

2015.10.05 Mon posted at 17:30 JST

ニューヨーク(CNNMoney) 1日の労働時間を8時間から6時間に短縮したら効率が上がり、従業員の意欲も高まった――。スウェーデンの職場で近年、そんな報告が相次いでいる。

インターネット広告関連のある新興企業では、3年前に6時間労働制を導入した。同社の最高経営責任者(CEO)は先月、ブログで「導入の理由は従業員のことを本気で考えているから。家族と過ごしたり、料理をしたり、好きなことをして過ごす時間を優先してほしい」と説明した。

同国では新興企業から高齢者向け住宅まで、さまざまな職場で6時間制の試験導入が進んでいる。

イエーテボリ市のトヨタ・サービスセンターは、6時間労働に切り替えてからすでに13年。利益が上がり、スタッフに笑顔が増えたという。

同市当局では昨年4月から看護師の労働時間短縮を試行中。結果が発表されるのは16年末の予定だが、すでに看護師らの疲労が軽減され、仕事の効率が上がるとの中間報告が出ている。

従業員の中には労働時間の短縮より柔軟な勤務形態を希望する声も

首都ストックホルムにあるアプリ開発会社のCEOは米ビジネス誌「ファスト・カンパニー」とのインタビューで、「8時間労働というのは一般に考えられているほど効率的ではない。8時間ひとつの仕事に集中し続けるのは大変なので、ちょっとほかのことをしたり休憩したりしてしのぐことになるし、私生活の調整にも苦労する」と述べた。

短時間で仕事を片付けようとすれば、従業員はフェイスブックをチェックするといった私用を控えるようになるし、不必要な会議もなくなると、同CEOは指摘する。

ただスウェーデンの英字紙「ザ・ローカル」によれば、時間短縮に踏み切った企業は同国内でもまだ少数派にとどまり、大半の企業では1日8時間、週40時間の労働時間が一般的だという。

米企業の労働時間は週平均約47時間。従業員らの間では時間の短縮ではなく、より柔軟な勤務形態を希望する声が強いようだ。

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