ロシア、シリア空爆を強化 英首相は標的を疑問視

スホイ24爆撃機。ロシアはシリアでの空爆を強化しているという

2015.10.05 Mon posted at 15:30 JST

(CNN) ロシア国防省は4日、シリアで過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の拠点をさらに空爆したと発表した。一方で英国のキャメロン首相は、ロシアがISIS支配地域以外の標的を攻撃していると批判した。

ロシア国防省は声明で、シリア北西部イドリブ県で過去24時間のうちにロシア軍機が20回出撃し、ISISの拠点10カ所を空爆したと述べた。

シリアでは2011年以降、内戦が激化するなかで、ISISをはじめとする過激派が勢力を伸ばしてきた。同国のアサド政権と同盟関係にあるロシアは、空爆でISISのほか、ヌスラ戦線など複数のテロ組織を攻撃すると表明している。

これに対して米英などの有志連合は、ロシアの攻撃が民間人や、アサド政権と対立する反体制派に及んでいると非難する。

キャメロン英首相。ロシアがISIS支配地域以外を攻撃していると批判

キャメロン英首相は英BBCテレビとのインタビューで、ロシアが空爆している標的の大半はISIS支配下に入っていない地域だと指摘。

「ロシアがやっていることは殺人者アサド(大統領)の後押しであり、ロシアにとっても世界にとっても大きな間違いだ。地域がさらに不安定になり、過激化が進み、テロがはびこる結果を招くだろう」と述べた。

3日に演説したロシア軍幹部は情報機関からの報告として、ISISの司令部や弾薬庫、訓練キャンプを狙った攻撃の結果、メンバーらがパニックを起こして逃げ出し始めたと主張。外国人戦闘員ら約600人が持ち場を離れ、欧州へ逃れようとしているとの見方を示したうえで、ロシア軍は空爆をさらに強化すると表明した。

シリア空爆、ロシア軍の実力は

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