ロシア、シリアで1日18回の空爆 7カ所に軍事拠点

ロシアは地中海沿岸を中心にシリア国内の7カ所に拠点を設置

2015.10.03 Sat posted at 16:13 JST

(CNN) ロシアによるシリアでの軍事介入の拡大で、米シンクタンク「戦争研究所」は3日までに、ロシアが空爆などを実施するための軍事拠点をシリア内の7カ所に設けているとの現状を報告した。

地中海沿岸での場所が目立つ。ラタキアの空港、タルトゥスにあるロシア海軍基地、ホムス市、首都ダマスカスの国際空港やハマなどが含まれる。ロシアのプーチン大統領は空爆開始などに備え戦闘機などの兵器、装備品や要員の派遣を数週間にわたって続けてきた。

ロシアのタス通信は2日、同国国防省報道官を引用し、ロシアは過去24時間内にシリアで過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」関連の12施設に対し18回の空爆を重ねたと伝えた。ロシアの空爆は同日、3日目に入った。

ロシアは空爆の目的を過激派ISISやその他の過激派拠点の壊滅と主張しているが、米政府は疑問視している。ISISの活動が不在の地域も攻撃しており、米国などが支援する反政府派勢力の穏健派の支配地も標的になったと指摘している。

ロシアと米国主導の有志連合がそれぞれ空爆した地域と回数

ロシアの真の狙いは中東の重要な同盟国であるシリアのアサド政権の存続との見方もある。地中海の戦略拠点であるタルトゥスの防衛強化との指摘もある。今回のシリアへの戦闘機配備でロシアはトルコ、イラク、ヨルダンやイスラエルをにらむ軍事的な影響力拡大の選択肢を得たとの受け止め方もある。

過去数週間の衛星写真で、ロシアはシリアに最新型のスホーイ30型戦闘機やT90型戦車などの兵器を送ったことが突き止められたが、その多くはISIS掃討戦には不似合いな性質の先端武器との見方も出ている。

一方、米政府は3日までに、イラクやシリアでISISに合流した外国人戦闘員は100カ国の約2万8000人と発表した。昨年比でほぼ倍増の水準。米国人は250人以上で、このうちの半数以上は過去1年で米国を出国した者となっている。

ただ、ISISの支配地は減少の傾向もみられ、軍事情報企業のIHSジェーンズによると掌握の地域は今年の上半期で9.4%縮小した。

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