米ジョージア州で死刑執行 ローマ法王は中止要請

ケリー・ギセンデーナー死刑囚の刑が執行された

2015.09.30 Wed posted at 20:39 JST

(CNN) 米ジョージア州で30日午前、不倫相手に夫を殺害させたとして死刑を言い渡されていたケリー・ギセンデーナー死刑囚(47)の刑が執行された。ローマ法王フランシスコは同州の赦免審査委員会に、死刑の中止を要請する書簡を送っていた。

死刑執行は29日午後7時に予定されていたが、弁護士らが連邦最高裁への複数の申し立てにより救済を求めたため延期された。申し立てはすべて却下された。

ジョージア州で女の死刑囚が処刑されたのは70年ぶり。ギセンデーナー死刑囚は1997年、不倫相手の男に夫の殺害を依頼したとして殺人罪に問われ、死刑を言い渡された。実行犯の男は司法取引に応じて終身刑となった。

弁護側は、同死刑囚の刑だけが不当に重いと主張していた。ジョージア州のディール知事には、死刑中止を求める支援者ら9万人以上の署名を集めた嘆願書が送られた。

法王は代理人から赦免審査委員会への書簡を通して減刑を呼び掛けたが、同委員会は28日夜、赦免を却下する判断を下した。委員らが法王の書簡を読んだかどうかは不明。報道担当者は「会議の内容は非公開」としてコメントを避けた。

死刑囚の子ども3人は最後まで執行停止を求めた

法王は先週の訪米中、連邦議会で死刑廃止を訴えた。オクラホマ州で30日に執行が予定される死刑についても中止を求め、同州知事に書簡を送っている。

ギセンデーナー死刑囚は3児の母だった。子どもたちも「母は服役中に更生した」「私たちの父は、たとえ母の罪を知ったとしても死刑を望まないはず」として同死刑囚の救済を訴えていた。

29日に同死刑囚と面会したという友人がCNNに語ったところによると、子どもたちは同死刑囚と最後の面会をするか、救済を求めに審査委員会に出向くかの選択に迫られ、後者を選択して面会がかなわなかった。

帰り際に子どもたちへ伝えたい言葉があるかと尋ねると、同死刑囚は「愛してる、愛してる、愛してる。自慢の子どもたちよ」と言った。この友人が聞いた最後の言葉になったという。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。