米政府、中国から情報要員を召還 個人情報流出を受け

米人事管理局からの個人情報流出で、中国から情報要員を呼び戻す動きが

2015.09.30 Wed posted at 18:33 JST

ワシントン(CNNMoney) 米連邦政府職員らの個人情報が盗み出された問題を受け、米政府が中国へ送り込んでいる情報要員らを引き揚げ始めたことが分かった。米当局者が29日に語った。

政府職員らの個人情報は人事管理局(OPM)のコンピューターネットワークから盗み出された。最近新たに、560万人分の指紋情報が流出したことも明らかになった。米政府は中国のハッカーによる仕業との見方を示している。

流出情報には国務省職員の指紋も含まれている。中国政府がこれを入手しているとしたら、情報要員が米大使館の国務省職員を装って中国に滞在している場合、指紋を照合することで身分が発覚してしまう恐れがある。

米情報当局は、中国で任務に就いている中央情報局(CIA)、国家安全保障局(NSA)、国防情報局(DIA)職員らの身分がさらされる恐れがあると判断した。米紙ワシントン・ポストは29日、CIAが北京の米大使館から数人の職員を引き揚げたと伝えた。

OPMからは政府職員の保安調査書の内容などが盗まれた。現職員と元職員のほか、政府機関の求人に応募してまだ採用されていない人物や、その家族、知人らの情報も流出したとみられる。中国の情報当局がこのデータを使って今後中国へ入ろうとする米情報要員を特定すれば、ビザ審査に影響が出ることも考えられる。

CIAは中国など諸外国に覆面の情報要員を送り込んでいる。しかしこの問題が発覚する前から、生体認証技術などの進歩で身分を偽った入国が難しくなっているとの指摘があった。こうした事態を受け、CIAは情報収集装置などの技術開発に力を入れている。

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