(CNN) 過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の資金源となっている原油や遺跡盗掘品の密売について、米政府は29日、取引阻止につながる情報の提供者に500万ドル(約6億円)の懸賞金を支払うと発表した。
米当局者らによると、ISISはイラクとシリアの油田で得た原油や遺跡から盗んだ文化財の密売で何百億ドルもの資金を調達し、戦闘員の報酬などに使っている。
国務省は声明で、懸賞金を出すことによって原油や盗掘品の生産加工、流通、売却などにかかわる人物、組織、密輸網、手段、ルートについて情報が得られることを期待すると述べた。
ISISはテロ組織史上最大とされる資金力にものを言わせ、世界各国からメンバーを呼び寄せてきた。
米議会では同日、ISISに参加するため現地へ向かう若者らの問題を調べていた超党派の特別部会が、米政府は渡航を阻止するために有効な手段を講じていないと結論付けた。
米国の推計によると、2011年以降にISISなどの戦闘員としてシリアやイラクへ渡った外国人は計2万5000人を超えている。
危機管理コンサルティング会社の英べリスク・メープルクロフトによると、ISISの原油収入は昨年、1日当たり160万ドルに達していたが、現在は50万ドルまで減少しているとみられる。