米下院議長が辞任表明、大統領選控え共和党内の対立露呈

ベイナー下院議長が10月末に辞任すると表明

2015.09.26 Sat posted at 16:16 JST

ワシントン(CNN) 米連邦議会下院のジョン・ベイナー議長(共和党)は25日の記者会見で、今年10月末に議長を退任し、下院議員も辞職すると表明した。引退については24日夜から考慮し、25日朝に決断したとしている。

下院議長は現職大統領に職務遂行が不可能な不測の事態が起きた場合、大統領権限の継承順位で副大統領に次ぐ重職となっている。

11月に65歳となるベイナー議長は政府予算案の編成などをめぐって共和党の保守派との対立が目立ち、政権寄りなどとの批判を浴びてきた。政府機関の閉鎖の危機が生じかねない予算案の債務上限額の引き上げなどに関する党内調整が来週、新たな山場を迎える中での議長退任の表明となった。

来年11月に大統領選を控え、共和党はベイナー氏の退任表明を受けて政権奪取をにらんだ挙党態勢の立て直しを早急に迫られる結果となった。

同氏は会見で、今年末の辞任を当初考えたが、共和党内の混乱を考え、その時期を早めたと説明。混乱が続くことは共和党や議会にとって好ましいことではないと述べた。自らの指導力の是非を問う投票が共和党内で新たに行われるような事態を招きたくないとも語った。

ベイナー氏(左)と訪米中のフランシスコ法王(中央)=24日

下院議長の後継者については投票に参加しないものの、「共和党のケビン・マッカーシー院内総務は卓越した議長になるだろう」と指摘した。ただ、保守系の草の根運動「ティーパーティー(茶会)」の支持勢力が次期議長の人選で同党の主導権獲得に絡んで動きを活発化させるとの見方も出ている。

この他の議長候補としては、議員総会議長を務める女性議員キャシー・マクモリス・ロジャース氏やスティーブ・スカリス院内幹事などの名前が浮上している。

ベイナー氏はオハイオ州選出で、2011年に議長に就任していた。共和党は10年の中間選挙で下院の過半数を獲得していた。

米下院議長が辞任表明

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