習主席が米シアトルで演説、中国経済の動きは「適正範囲内」

中国の習近平(シーチンピン)国家主席

2015.09.23 Wed posted at 13:57 JST

シアトル(CNNMoney) 中国の習近平(シーチンピン)国家主席は22日、米国への初の公式訪問でシアトルに到着し、政財界人らの前で演説した。その中で中国株式市場は一時期の乱高下から回復しており、現在の経済動向は「適正範囲内」にあるとの見解を示した。

シアトル中心部で開かれた会合には、政財界の指導者や政府関係者ら約700人が出席。会場には厳重な警戒態勢が敷かれた。

習主席は演説で、中国経済がこの数カ月間、不調に陥っていたことを認めた。同時に、国際経済の「複雑」で「不安定」な環境下では予期され得る事態だったと強調。株価急落を受けた中国政府の対応は、「大規模なパニック」を防ぐために必要な動きだったと主張した。

シアトルは中国とのつながりが深く、同国政府高官の訪米で最初の訪問地となることも多い。習主席の滞在中には同市近郊にあるボーイング・エバレット工場の訪問や、アマゾン、ペプシ、マイクロソフト、ディズニー、デュポンなど米国を代表する大企業の最高経営責任者(CEO)との討論会が予定されている。

習主席はその後ワシントンへ向かい、オバマ大統領との公式会談に臨む。会談では中国政府による株安への対応に加え、サイバーセキュリティー、南シナ海での岩礁埋め立て、汚職取り締まりなどが議題に上る見通しだ。

サイバーセキュリティーの問題は、米中間の対立につながりかねない懸案事項の一つだ

習主席は22日の演説でサイバーセキュリティーの問題にも言及し、「企業に対するサイバー窃盗や政府情報網のハッキングは、法や国際条約に基づいて罰するべき犯罪行為だ」と強調。サイバー犯罪に関し、米国との間で高官レベルの会合を設ける用意があると表明した。

また米国との二国間関係の重要性を改めて指摘し、対立は双方にとって不利益になると述べた。

これに先立ち演説に立ったプリツカー商務長官は、米政府や企業が中国に重大な懸念を抱いている事柄として、法や規制の不透明さ、一貫性に欠ける知的財産権の保護状況、サイバー部門や技術部門での差別的政策、各方面にわたる公正な競争環境の欠如を挙げた。

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