ロシア、シリア上空に無人機を配備

ロシアのプーチン大統領。同国はシリアでの軍備増強を着々と進めている

2015.09.22 Tue posted at 11:01 JST

ワシントン(CNN) ロシアはこのほど、シリア上空に偵察用と思われる無人機を配備した。複数の米当局者が明らかにした。ただ武装しているかどうかは不明で、これまでに飛行させた回数も分かっていない。

ロシアはシリアで着々と軍備を増強しており、米当局者によれば、地上には既に戦闘機25機、ヘリコプター15機、戦車9台、地対空ミサイル3基、兵士少なくとも500人を配備している。

18日にはロシアの軍備増強を巡って米国防総省のカーター長官とロシアのショイグ国防相が協議した。シリアのアサド大統領を支援するロシアに対し、米国は同大統領の退陣を求めている。

米国防総省のデービス報道官は21日、記者団に対して「事態の展開を注視している」と述べ、「アサド政権に対する支援、特に軍事的支援は、非生産的であり、事態の一層の悪化を招く危険がある」と強調した。

米国防総省は、シリアにおけるロシアの動向に神経をとがらせている

シリアでは米軍率いる有志連合が過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」を狙った空爆を続けている。国防総省当局者は、シリア領空でロシアと有志連合が遭遇する事態を懸念。ロシアは現時点でジェット機やヘリコプターを使った戦闘任務は行っていないものの、米当局はロシア軍の動きに対して警戒を強めている。

デービス報道官は「衝突の可能性について重大な懸念を持っている。衝突は回避する必要がある」と語った。

一方、ロシア外務省は、シリアの首都ダマスカスにあるロシア大使館が20日に砲撃されたと発表し、この砲撃は反体制派によるテロだったとして強く非難。21日に発表した声明で、「今回のテロ行為に対し、地域の関係国を含めた国際社会が立場を明確にすることを期待する。言葉だけでなく、確固たる行動が求められる」と強調した。

声明ではさらに、ロシア大使館に対する砲撃は、反体制派の拠点がある地域から行われたと指摘。攻撃を仕掛けた集団については「いわゆる『イスラム国』を名乗ってはいないが、外部の支援者の影響下にある違法な武装集団だ」とした。

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