ハンガリー、セルビアとの国境封鎖を解除 難民対応で協力

欧州に押し寄せる難民

2015.09.21 Mon posted at 16:08 JST

ハンガリー・オーストリア国境(CNN) 中東などから大量の難民らが欧州に流入している問題で、ハンガリーの政府関係者は20日、セルビアとの間の主要な国境通過所が再開したことを確認した。一方、米国のケリー国務長官は同日、米国が毎年受け入れる難民の総数を現在の年間7万人から来年は8万5000人に、その翌年は10万人に増やすと発表した。

再開されたのはハンガリー南東部ロスケにある国境通過所で、この国境が閉鎖されたことにより先週、数千人の難民がクロアチアに向かうことを余儀なくされていた。

ハンガリーのピンテル内相は、移民らの欧州流入がハンガリー・セルビア両国に非常事態を生み出していたとした上で、「我々は共に、この非常事態に対する解決策を考案した。両国が共同でこの問題の解決を試みている」と述べた。

ピンテル内相は一定期間、国境を閉鎖することで状況打開に当たらざるを得なかったことに遺憾の意を示す一方、ハンガリーとセルビアの関係が良好であることを強調。国境通過所の再開は、危機的な状況の中で協力しようとする両国の決意の表れだと述べた。

クロアチア内務省によると、同国東部のトバルニクでは20日夕、移民ら1600人近くがハンガリーとの国境に向けて出発。クロアチア当局はさらに多くの移民らが国境地帯に来ると予測しており、交通機関や収容施設の準備に当たっている。

子どもを連れて祖国を逃れてきた難民も多い

この数日、ハンガリー国内を徒歩で移動していた難民ら数百人は、オーストリアとの国境まで4キロの道のりを夜中に踏破。また20日未明には、クロアチア・ハンガリー国境地帯から電車で到着した300~400人が、オーストリアとの国境に近い村、ヘジェシュハロムをハンガリー警察に付き添われて歩いた。

彼らが向かう先のオーストリアには前日、数千人がハンガリーから流入している。

一方、米国のケリー国務長官は訪問先のベルリンで20日、記者会見を開き、米国が毎年受け入れる難民の総数を現在の年間7万人から来年は8万5000人に、その翌年は10万人に増やすと発表した。

ケリー国務長官は「私が今日発表するこの措置は、第2の人生を生きるチャンスを得られる地としての、また希望の灯としての米国の最高の伝統に沿うものだ」「これと共に、人道支援に向けたさらなる資金の提供も行う。米国政府ばかりでなく、米国民からも援助がある」と述べた。資金援助の内容は、数日中に具体化するという。

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