足かけられた難民男性、スペインでサッカーコーチに

2015.09.18 Fri posted at 11:07 JST

(CNN) ハンガリーで幼い息子を抱えて国境を目指すさなか、地元の女性カメラマンに足をかけられ、転倒させられたシリア人難民の男性が、事件をきっかけにスペインで新たな生活を始めることになった。

男性はオサマ・アブドゥル・モフセンさんで、シリアのサッカー1部リーグで監督を務めた経験がある。それを知ったマドリードにあるサッカー指導者の養成学校が仕事と住居の提供を申し出たのだ。

足かけ事件の後、モフセンさん親子はドイツのミュンヘンに到着した。

一方、事件の報道に心を痛めた養成学校のミゲル・アンヘル・ガラン校長は、スペイン紙の記者にモフセンさん親子を探すよう依頼した。

記者はスペインリーグでプレーするアラビア語を話せる選手を伴ってミュンヘン入り。大勢の難民の中を探し回り、ついにモフセンさんを見つけ出した。

モフセンさんはちょうど、サッカーの試合中継をカフェで見ているところだった。

モフセンさん親子は16日の夜にマドリードに到着。「ここに来られて夢のようだ。ありがとうマドリード。ありがとうスペイン」と、モフセンさんは述べた。

学校側はモフセンさん一家の難民申請や、マドリード郊外の家への引っ越しを支援する。また、自立できるようになるまで生活費を支給するという。

ガラン校長によれば、スペインの下位リーグのチームの中にはモフセンさんの採用を考え始めたところもあるという。だが当面はサッカーアカデミーで働きながらスペイン語を身につけ、指導者資格の取得を目指すことになる。

モフセンさんは妻と2人の娘も呼び寄せたい意向だ。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。