(CNN) 米テキサス州アービングで、14歳のイスラム教徒の少年が自作の目覚まし時計を学校に持参したところ、教師に爆弾と間違われて警察に通報され、逮捕されるという出来事が起きた。
アーメド・モハメド君は16日、記者団に、「先生がすごいと言ってくれるかと思って作った時計だったのに、見せたら脅しだと思われた。おかしな印象を持たれてすごく悲しかった」と語った。
モハメド君は釈放後、CNNの系列局WFAAに「逮捕されて、警察から、お前はにせ爆弾を作った罪を犯したと言われた」と語った。
アービング警察は同日、モハメド君は起訴されないと発表した
モハメド君は高校1年生でマサチューセッツ工科大学(MIT)への進学を希望、技術者になるのが夢だ。学校からは17日までの停学処分を受け、転校を検討しているという。
地元紙によれば、モハメド君は別の教師に時計を見せたところ、いい時計だが他の先生には見せないほうがいいと言われたという。そこでかばんにしまっておいたが授業中に目覚まし音が鳴り出したため、教師に見せた。
「爆弾みたいだって言われた。『僕にはそうは見えません』と答えた」(モハメド君)
別室に連れ出されたモハメド君を待っていたのは4人の警官だった。うち1人は「こういうやつだろうと思っていた通りだ」と言ったという。
スーダンからの移民であるモハメド君の父は、事件はイスラム教徒への偏見のせいだと考えている。「息子の名前はモハメドだ。イスラム教徒はみんなテロリストだと思われているが、私たちは平和的なのに」
テキサス州法では、にせ爆弾の製造や所有、それで人を脅かすなどすると罪に問われるとの規定がある。
モハメド君は、罪状が取り下げられて良かったと語り、警察が謝罪しなかったことについても気にしていないという。