北朝鮮「新型衛星開発が最終段階」 長距離ロケット発射か

北朝鮮の金正恩第1書記

2015.09.15 Tue posted at 17:54 JST

ソウル(CNN) 北朝鮮の朝鮮中央通信(KCNA)は14日、「新型衛星の開発が最終段階にある」と伝え、近く長距離ロケットを発射する可能性を示唆した。

KCNAによると、国家宇宙開発局長は「空高く上る衛星」を世界が目にすることになると述べたが、打ち上げの時期や場所については朝鮮労働党の中央委員会が決めると述べるにとどまった。

同局長はまた、「平和目的の宇宙開発は国際法で認められた主権国家の正当な権利である。北朝鮮の党と国民は、他国に何と言われようとこの権利を行使する決意だ」と強調。打ち上げるのは気象衛星だと主張した。

米国務省のカービー報道官は同日、ワシントンでの定例会見でこの報道について質問を受け、「国連安全保障理事会は北朝鮮に対する複数の決議で、弾道ミサイル計画にかかわる活動を一切中止するよう求めている」と指摘。「弾道ミサイル技術を使った衛星の発射は明らかな決議違反だ」と述べた。

専門家らによれば、北朝鮮は10月の党創建70周年に合わせて長距離ロケットを発射する可能性がある。

前回の打ち上げは2012年12月で、衛星と称する物体の軌道投入に成功。国連安保理は当時、北朝鮮に対する制裁を拡大した。北朝鮮はこれに先立つ2回の打ち上げも成功したと主張したが、実際には失敗に終わっていたとみられる。

北朝鮮西岸の「西海衛星発射場」=2012年4月

北朝鮮は12年の打ち上げ以降、「西海衛星発射場」の改修工事を進めてきたとみられる。同局長は14日、発射場の改修と拡張が進んだ結果、「より高度な衛星の打ち上げ」が可能になったと語った。

北朝鮮の動向を分析する専門サイト「38ノース」は今年7月、同発射場の衛星画像に基づき、ロケットを発射台まで運ぶ装置が完成したとの見方を示していた。

同サイトは8月、発射準備の兆候はみられないと報告。ただし北朝鮮は最近、発射場での活動を外部から見られないよう対策を講じているとも指摘した。

日本の菅官房長官は15日の記者会見で「米国や韓国と連携し、北朝鮮に挑発行為の自制を求めていく」と語った。

韓国国防省は、「北朝鮮のロケット発射計画に関する報道」を注意深く見守っていると述べるにとどまった。

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