テニスの元スター選手を容疑者と誤認、拘束映像が公開 米

ジェームズ・ブレーク氏が警官に犯人と誤認され組み伏せられた=NYPD

2015.09.12 Sat posted at 13:48 JST

(CNN) 米ニューヨーク市で9日、男子プロテニスの元スター選手がニューヨーク市警(NYPD)の警察官に誤って拘束された事件をめぐり、同市警は11日、拘束時の様子を捉えた監視カメラの映像を公開した。

1分間の映像では、ジェームス・ブレーク氏(35)が市内のホテルの前に立っていたところに突如、私服警官がつかみかかり、ブレーク氏を地面に組み伏せた上、手錠をかけて連行する様子が映し出されている。ブレーク氏は無抵抗で、向かってくる私服警官に気付いていた様子もない。その後、誤認と判明するまで10分間にわたり拘束されたという。

ブレーク氏はテニスの全米オープン会場に向かうため車を待っていたところだった。

デブラシオ市長とNYPDのブラットン本部長は声明で、誤認に至った原因を究明し再発防止に備えるための調査を進めていると述べた。

NYPDの報道官は、内部監査局が調査の一環で既にブレーク氏と面談したと発表。同氏の弁護士に映像のコピーを渡したことも明らかにした。

警察組合のトップは、警官がブレーク氏を犯罪に関与した別の容疑者と誤認していたと説明。容疑者が逃亡するかもしれない流動的な状況の中での拘束となったが、再発は防ぐべきだと語った。白人警官による拘束だったことから人種的な要因があったとの見方については否定した。

ブレーク氏に突進する私服警官

ブラットン本部長によると、ブレーク氏を拘束した警官は外勤禁止の処分を受けた。この警官に対しては、2013年の逮捕時などでの過剰な実力行使を巡り2件の訴訟が提起されている。

映像公開に先立つ10日、ブラットン署長はブレーク氏に謝罪。デブラシオ市長も電話で謝罪の意を伝えていた。

ブレーク氏は11日、声明で「この不幸な事件が警察と市民の関係改善のきっかけとなるよう、自分の声を通じ働きかけていきたい」と表明。「私の身に起きたのは決して珍しいことではない」として、ニューヨーク市に対しこうした事件が頻発する地域を中心に、関係改善に向けた予算を増やすよう呼びかけた。

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