ニューヨーク(CNNMoney) ニューヨーク市の保健委員会は9日、外食チェーン店に対し、ナトリウム含有量が2300ミリグラムを超えるメニューに警告表示を義務づける新ルールを全会一致で採択した。
同委員会によれば、1日分の摂取の目安量は2300ミリグラムで、それより摂取量の多いニューヨーク市民は8割に上る。また米国全体では国民の95%が摂取過多と推計されている。
これまでの研究で、ナトリウム摂取量が多いと高血圧や脳卒中のリスクが増し、循環器系の病気になりやすいとされる。ニューヨーク市では循環器系の病気が死因のトップとなっている。
同市保健局は声明で「ニューヨーク市は全米で初めて、高ナトリウムの警告ラベルを導入した。これにより、市民の健康全般がさらに改善されることを期待している」と述べた。
これに対し、食塩メーカーや外食産業の業界団体からは反発が出ている。
食塩協会のロリ・ローマン会長は声明で「これは当局が時代遅れの誤った食塩ガイドラインに基づいた規制を作った新たな例だ。10年に及ぶ研究でガイドラインの誤りは明らかとなっている」と反論。中には食塩量が少ない食事が健康に悪影響を及ぼした研究例もあると述べた。
ニューヨーク州レストラン協会のメリッサ・フライシュット最高経営責任者(CEO)も「レストランが直面する不要なハードルがまた増えた」「こうしたやっかいな新法ができるたびに飲食店経営の成功は難しくなっていく」と新規制を批判した。
ニューヨーク市は、全米に初めて飲食店のメニューにカロリー表示を義務づけたことでも知られる。今回、塩分表示を求められるのは同市を含め全米に15以上の店舗を持つ外食チェーンで、ウェンディーズやサブウェイ、マクドナルドなどファストフード店を中心に対応が必要になるとみられる。
市によれば規制の対象となるのは市内2万4000軒のレストランの約12.5%。12月1日から施行されるが、一定の猶予期間が設けられる。