(CNN) 米国内のスーパーなどで販売されている牛ひき肉のほとんどに、食中毒につながりかねない病原菌が含まれているという調査結果を、米消費者情報誌「コンシューマー・リポーツ」が発表した。
同誌は全米26都市の店舗で販売されていた牛ひき肉300点のサンプルを検査して、集団食中毒の原因になる腸管出血性大腸菌O157など、5種類の病原菌が検出されるかどうかを調べた。サンプルのうち40%は、「オーガニック」や牧草飼育、抗生剤不使用をうたっている商品だった。
検査の結果、O157は検出されなかったものの、全サンプルから少なくとも1種類の病原菌が見つかった。2種類以上の病原菌が検出された割合は、非オーガニックなど一般的な牛ひき肉で82%、牧草飼育や抗生剤不使用などの持続可能系牛ひき肉では58%だった。
見つかったのはウェルシュ菌や黄色ブドウ球菌などの病原菌で、いずれも下痢や腹痛などの症状を引き起こす。また、尿路感染を引き起こす腸球菌は、持続可能系、非持続可能系のいずれについてもほぼ全品から見つかった。
コンシューマー・リポーツの専門家によると、これは肉牛を処分する過程で糞便(ふんべん)に汚染されるケースが多いことを物語る数字だという。
さらに、非持続可能系の18%、持続可能系の9%からは、医薬品に使われる主な抗生剤3種類に対して耐性を持つ抗生菌が見つかった。
今回の検査で見つからなかったO157についても、店舗で売られている少数のひき肉の中に潜んでいる可能性はあるとコンシューマー・リポーツの専門家は指摘する。米国人は平均すると、年間約22キロの牛ひき肉を消費しているという。
別の専門家は適切な手順で調理を行うことが重要だと指摘。肉を低温に保つことや手洗い、生肉の触れた表面の洗浄、料理する肉はしっかりと中まで通すことなどを挙げた。