(CNN) 内戦の続くシリアなどからの難民の経由地となっているハンガリーで、民族主義的なテレビ局の女性カメラマンが収容施設を逃げ出した難民を蹴るなどして強い批判を浴びている。このカメラマンはその後、解雇された。
カメラマンは、子どもを前に抱き、荷物を背負った男性にわざと足をかけて転ばせた。男性は子どもを下敷きにする格好で地面に転倒した。
次にこのカメラマンは、走って行く難民たちを蹴とばした。蹴られた中には幼い女の子もいた。
カメラマンはハンガリーの民族主義的テレビ局N1TVのカメラマン。同局によれば、このカメラマンはその後、解雇されたという。同局は声明で、「カメラマンの行動は容認し得ないものだった」と述べた。同局はカメラマンの氏名などを明らかにしていない。
ハンガリーはオーストリアやドイツを目指す難民たちの経由地になっている。
難民たちはほとんど着の身着のままでセルビア経由でハンガリーにたどり着いた人々。ハンガリー南部の施設に収容されていたが、劣悪な環境に不満が高まっていた。
難民たちは8日、施設の警備を突破すると草原を抜けて何キロもの道のりを進んだ。荷物や靴など身の回りのものを落とす人もたくさんいた。
ハンガリーは難民の保護を定めた難民条約に加盟しており、今回の難民の扱いや、難民流入を防ぐ目的で有刺鉄線つきの柵を設置したことに批判が集まっている。
ハンガリー政府は、不法移民に関する欧州連合(EU)の規制を執行しているだけだと主張している。
カメラマンが難民を蹴る ハンガリー