アイスランド女性が難民に救いの手 政府に受け入れ拡大要求

フェイスブックを通じ難民を支援する活動を始めたビョルクビンスドッティルさん

2015.09.04 Fri posted at 18:46 JST

(CNN) 今年に入り、欧州には史上例を見ないほどの数の難民が流入している。そんななか、欧州各地では草の根レベルで人々が難民受け入れに立ち上がっている。

アイスランドでは、大学教授のブリンディス・ビョルクビンスドッティルさんがフェイスブックを通じ、政府に難民の受け入れ人数を増やすよう求める運動を始めた。同国政府は50人の受け入れを公式に表明している。

きっかけとなったのは、友人の1人がフェイスブックでアイスランド政府に対し、シリア難民5人を自宅に受け入れる用意があるから受け入れ人数を55人に増やすよう呼び掛けていたことだ。

友人の考えに感銘を受けたビョルクビンスドッティルさんはまず、難民の旅費を自分が負担してもいいと思ったという。「それから、食料や衣服や部屋を提供したい人はたくさんいるのではないかと思いついた。そうすれば50人が100人や200人に増えるのではないかと思い、活動を始めた」と話す。

呼び掛けへの賛同者は1万2000人に達した。アイスランドの全人口が30万人ほどであることを思えば大きな数字だ。

ドイツ国内では、ボランティアによる難民への支援物資の配布も行われている

またドイツでは、ルームシェアなどの形で住居を提供してくれる人と難民を引き合わせるウェブサイトが運営されている。すでに数十人の難民に住宅を斡旋(あっせん)してきたという。

ベルリン在住のケイティ・グリッグズさんは、自宅アパートの客間を提供することにした。やってきたのはナイジェリア出身の妊娠中の女性(24)。ギリシャで2年ほど過ごしたが、状況の悪化を受けてドイツに逃げてきたという。

当初は不安もあったが、自宅にいながらにしてアフリカの現状を学べたのはすばらしい経験だったとグリッグズさんは話す。6週間後、女性は正式な難民申請に向けてドイツ西部の収容施設に移っていったという。

草の根の運動に拡大の兆し

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