ホッキョクグマが測候所を包囲、調査団が缶詰めに ロシア

測候所がホッキョクグマに「包囲」されてしまったという=WWF

2015.09.03 Thu posted at 11:46 JST

(CNN) ロシア北部の北極海に浮かぶバイガチ島で、気象観測を行っていた調査団がホッキョクグマ5頭に包囲され、身動きが取れなくなっている。

世界自然保護基金(WWF)ロシア支部によると、同島にある観測基地の周りに5頭のクマがすみついて、気象専門家2人と技術者1人で構成する調査団が、建物から出られなくなった。

調査団は火をたくなどして追い払おうとしたが、クマたちがひるむ様子はなかった。

建物の周りに囲いはなく、ほかに武器になりそうな物も、クマを追い払うために使えそうな道具もないという。

火をたいて追い払おうとしたがうまくいかなかった=WWF

クマたちはここ数日、建物の近くで眠ったり、取っ組み合ったりしたりしているといい、調査団が1日に2回、観測基地から数百メートルの地点で行うはずだった海水温度測定などの観測もできない状況が続く。

このためホッキョクグマパトロール団が調査団と連絡を取りながら、クマを追い払うために必要な装備を提供するようロシア政府に働きかけているという。

北極海ではホッキョクグマの生息する海氷が解け、餌となるアザラシの個体数も減少。米国立測候所は、2050年までにホッキョクグマの個体数は現在の3分の2まで減ると予想している。

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