欧州難民危機 トルコに男の子の遺体漂着、画像が波紋

2015.09.03 Thu posted at 11:50 JST

(CNN) トルコの海岸で2日、シリアからの難民とみられる12人の遺体が漂着しているのが見つかった。そのうち男の子の遺体を写した画像がネット上に公開され、見る人に衝撃を与えている。

1歳くらいのその男の子はうつ伏せの姿勢で横たわっていた。赤いTシャツに青いズボン、小さな靴。まるで眠っているように見える。しかし顔の周りには波が打ち寄せていた。トルコ沖でおぼれ、遺体となって流れ着いたのだ。

1人ぼっちになり、動かなくなった男の子の写真は、ツイッターで次々に共有され、世界中で涙を誘っている。

中東やアフリカから押し寄せる移民や難民が欧州各国で問題になる中、せめてこの写真が転機となって、事態打開に向かって欲しいと望む声もある。

トルコ・ムーラ県の当局によると、漂着したのはシリアからの難民で、2隻の船に乗ってギリシャのコス島を目指していた。乗船者のうち数人はトルコのレスキュー隊が救助したが、男性2人と子ども1人が行方不明になっているという。

国際移住機関(IOM)によると、地中海を渡って欧州を目指す途中で命を落とした人は、今年だけで2600人を超えた。溺死や圧死のほか、船のエンジンの排煙で窒息死したりする犠牲者が後を絶たない。

欧州に到着した移民や難民も今年だけで35万人あまりに上るが、各国の対応には大きな開きがある。

男の子の写真を見た国連のグテレス難民高等弁務官は2日、「とてつもない挫折感を感じる」と述べ、「この状況に対する一貫した対応が必要だ。欧州が一丸とならない限り、そうした対応はできない」と指摘した。

欧州連合(EU)のモゲリーニ外交安全保障上級代表も同日、各国が一丸となって行動するよう促し、次回のEU外相会談でこの問題について協議すると表明した。

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