グアテマラ市(CNN) 中米グアテマラの首都グアテマラ市で28日までに、汚職疑惑に揺れるペレスモリナ大統領の辞任を求める数千人規模の大規模なデモが行われた。捜査当局はバルデッティ前副大統領の身柄を拘束し、議会も委員会を立ち上げ大統領を追及する構えだ。
デモ参加者は同市の憲法広場を埋め尽くし、隣接する街路まで人があふれた。抗議活動は今年に入って頻発していたが、今回のデモは最大規模。商工会議所が企業に休業を呼びかけたほか、大学は授業を休講にし、会社員や学生がデモに参加できるようにした。
ペレスモリナ大統領を巡っては、税関絡みの組織的な不正を主導したとする疑惑が浮上。同市の住民は、政府関係者が公金を横領したとして追及を強めている。
デモ隊が憲法広場に集結するなか、議会は同大統領を捜査するための委員会を選定し、弾劾に向けた手続きを始めた。同国の最高裁は25日、捜査を行うに値する十分な証拠があるとの判断を下していた。
大統領は容疑を否認しており、外国の利権の助けを受けた敵対勢力による謀略だと示唆。「私が(汚職に)関わり、税関をめぐる不正でお金を受け取っていたとする容疑を断固として否定し、拒絶する」と述べた。
大統領を巻き込んだスキャンダルが浮上したのは4月。組織的な不正に関与したとして、捜査当局はバルデッティ前副大統領を立件した。前副大統領は5月に辞任、当局によって今月21日に身柄を拘束された。
この件を担当する判事は27日、大統領と同様、税関不正や収賄などの疑いでバルデッティ氏を裁く方針を固めたが、同氏は容疑を否認している。
ペレスモリナ政権では大臣や副大臣ら十数人が既に辞任。さらなる辞任もあり得るが、同大統領は政権の座を維持する姿勢を示している。
グアテマラで大統領辞任求める大規模デモ