ハチにICチップ背負わせ追跡、蜂群崩壊症候群の解明なるか

2015.08.27 Thu posted at 14:38 JST

(CNN) ミツバチをはじめとする植物の授粉を手伝う昆虫は、世界の食料生産において重要な役目を担っているが、そんなハチたちに、オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)の研究チームは、新たな荷を背負わせることにした。それは約2.5ミリ角の小さなセンサー。背中に貼り付けてミツバチの移動を追跡することで、環境からのストレスに彼らがどう反応しているかを調べようというわけだ。

使われているのはICタグの技術。センサーを背負ったハチがデータ受信機の前を通るとその記録が残る。

ハチは一定のパターンに従って行動する生き物だ。そこで通常と異なる行動をチェックしてストレス要因を割り出し、ハチを救うすべを見つけたいというのが同機構の狙いだ。

「小さなセンサーを使うことで、病気や農薬、大気汚染、水質汚染、えさや極端な天候といったストレス要素がハチの移動や授粉能力に与える影響を分析できる」と、同機関は説明する。

近年、世界各国で群れのミツバチが大量にいなくなる「蜂群崩壊症候群(CCD)」が問題となっている。最も深刻な状況にあるのが米国だ。

ミツバチ研究を行う大学や研究所の連合体の調査によれば、今年4月までの1年間で米国の養蜂業者が飼育するミツバチの群れのうち42.1%が失われた。

英国では2012~13年、35%近くの群れが失われた。欧州委員会は暫定的に一部の農薬の使用を禁止するなどハチを守るための政策を打ち出している。

蜂群崩壊症候群を引き起こす要因としては、ダニや農薬、病気、生息地の減少、電磁波にアルミニウム汚染などさまざまな候補が挙げられているものの、まだはっきりした原因はわかっていない。

小型チップでハチを追跡調査

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