基準の数百倍、天津爆発現場から有毒物質 魚の大量死で不安も

爆発現場付近の水をくみ取る作業者

2015.08.21 Fri posted at 12:10 JST

(CNN) 中国の天津で起きた大規模な爆発で、当局は20日、現場から安全基準の数百倍もの有毒な化学物質が検出されたことを明らかにした。現場近くの川では死んだ魚が大量に浮いているのが見つかり、当局が爆発との関連を調べている。

環境保護当局によると、現場の水を検査した結果、高濃度のシアン化ナトリウムが8カ所で検出された。シアン化ナトリウムは致死性が高く極めて危険な化学物質。1カ所では濃度が安全基準の356倍に達していた。

汚染水があるのは爆発現場周辺の警戒区域内に限られていると当局は強調。市当局も、爆発圏外の大気や水の品質は通常の範囲内と説明している。

しかし周辺の住民は、環境や健康への長期的な影響について不安を募らせている。天津市内を流れる川で大量の死んだ魚が見つかったことも不安に追い打ちをかけた。

国営新華社通信は、死んだ魚が見つかった地点から採取した水の検査では、有害なレベルのシアン化物は検出されなかったと報道。これに先立ち天津環境監視当局は、魚の大量死にはさまざまな原因が考えられると述べ、検証を進めていることを明らかにした。

毒性が高いため防護のための手袋を着用

国営メディアによれば、12日に爆発を起こした倉庫には、毒性の高い化学物質700トン以上が保管されていた。この爆発では少なくとも114人が死亡し、69人が依然として行方不明になっている。

被害は住宅1万7000棟、企業170社以上に及び、約3000台の車が破壊された。自宅が損壊した数千人あまりの住民は、近くの学校や集合住宅に避難している。

共産党の機関紙、人民日報は、現場では除去作業が進んでおり、20日までにシアン化ナトリウムの約20%が除去されたと伝えた。

現場付近に高濃度の有毒物質、水をくみ取る現場

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