米大リーグ傘下の現役選手、同性愛を公表 史上初

デービッド・デンソン選手が同性愛を公表した

2015.08.17 Mon posted at 11:47 JST

(CNN) 米大リーグ(MLB)ミルウォーキー・ブルワーズ傘下のマイナーリーグに所属する若手選手が同性愛の事実を公表したことが17日までに分かった。MLB傘下の現役選手が同性愛を公表するのは史上初めて。

同性愛の事実を公表したのはルーキーリーグのヘレナ・ブルワーズに所属する1塁手、デービッド・デンソン選手(20)。家族とチームメートに打ち明けた後に、地元紙のインタビューで公表した。

デンソン選手はチームメートに告白した時の様子を次のように振り返っている。「みんなは『それでもチームメートであること、兄弟であることに変わりはない。何となく気付いてはいたけれど、性的指向は能力とは何の関係もない。これからも対応は変わらない』と言ってくれた」

デンソン選手はカリフォルニア州の高校を卒業後、2013年のMLBドラフト15順目でブルワーズから指名された。これまで性的指向のことは隠していたが、今年春ごろから精神的負担が重くなり、「うつのような状態になった」「自分は自分自身ではなかった。自分がスポーツ界に残るべきかどうか分からなくなった」という。

米国ではここ数年で、現役を引退したプロスポーツ選手による同性愛の告発が相次いでいる。

大リーガーではビリー・ビーン元選手が1995年の現役引退後に同性愛の事実を公表。同性愛の選手に対して性的指向を隠すよう圧力がかかっている現実について、繰り返し訴えてきた。

今回のデンソン選手の告白についても、MLBで同性愛者差別撤廃に取り組む初の大使としての立場から、ビーン氏が相談に乗ったという。

「たまたま同性愛者でプロになったスポーツ選手はそのことを秘密にしてきた。選手はただ、野球やフットボールやバスケットボールの能力で評価してもらうことを望んでいるのに」とビーン氏は指摘し、デンソン選手について「これまでの見方を変えさせ、男子プロスポーツチームに同性愛者はいないという偏見を変えさせる実例になるかもしれない」と期待を寄せる。

スポーツ界からもデンソン選手に支持を表明する声が相次いでいる。ミルウォーキー・ブルワーズのダグ・メルビン球団社長は、「デービッドは高く尊敬されているミルウォーキー・ブルワーズの一員であり、非常に勇気ある青年だ」「我々の目標はほかの選手と同じようにデービッドを大リーグ選手として育成することにある。その夢を追う彼を引き続き応援する」との談話を発表した。

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