(CNN) 中央アジアのウズベキスタン航空は13日までに、離陸時などの機体重量の計算や安全運航の確保に必要として、出発前に乗客の体重と持ち込み荷物の重さを量ることを開始するとの声明を発表した。
体重測定は世界の航空会社でも珍しい措置とみられる。国際航空運送協会(IATA)の規定に従った対応としている。ただ、IATAの報道担当者はCNNの取材に離陸前の乗客の体重測定や持ち込み荷物の計量に関する規定は承知していないと指摘。
各航空会社は運航機材で輸送する乗客や搭載物の重さに機体重量を加味した総合的な計算でそれぞれの内部規定を抱えており、この種の規定の内容は各国の航空監督当局に委ねられていると述べた。
ウズベキスタン航空によると、乗客の体重は空港の出発用の区画で計量器を用いて量る。計量の記録は男女、子ども別に分類されるが、その他の個人データは全面的に守秘扱いにすると述べた。
米連邦航空局(FAA)と欧州航空安全局(EASA)など航空行政監督機関は各航空会社に乗客の平均体重を機体の総重量に加えることを指示している。この重量計算に関する最新のFAA指針によると、夏と衣服の重ね着が増える冬の違いはあるが、大人の平均体重は約86〜88キロに、子どもは約37キロと定めている。この体重には持ち込み荷物などの分も含まれている。
ウズベキスタン航空は乗客の体重測定など新たな方針の詳細に関するCNNの問い合わせには応じておらず、体重が超過気味の場合の対応などは不明となっている。
仮に体重別の航空運賃を乗客に求めることになったとしても世界では初めての事例ではない。
南太平洋のサモアの航空会社は2012年、体重に従って航空料金を設ける制度を導入し、現在も続けている。サモア航空幹部は13年にCNNの取材に応じ「体重が72キロの乗客ばかりではない。標準座席に全員が座れるわけではない」と指摘。「航空会社の仕事は重量測定。我々は座席ではなく、重量を売っている」と主張していた。