北朝鮮、2棟目のウラン濃縮施設を稼働か 濃縮能力が倍増

寧辺の核施設で働く作業員=2008年2月

2015.08.12 Wed posted at 18:57 JST

(CNN) 米軍事情報会社IHSジェーンズは12日までに、北朝鮮が寧辺の核施設で2棟目のウラン濃縮施設の稼働を開始したとする報告書を発表した。

施設内には1棟目と同様、多数の遠心分離器が設置されているとみられる。IHSジェーンズの情報誌インテリジェンス・レビューは、「北朝鮮のウラン濃縮能力が倍増した可能性がある」と指摘した。

民生利用を目的としたウラン濃縮とも考えられるが、核兵器への転用も可能だという。

北朝鮮は2010年11月、遠心分離器2000基が稼働する1棟目の濃縮施設へ、米スタンフォード大学のジークフリード・ヘッカー教授らを招いた。同教授はこの施設について、民生用に見えるが兵器用にも容易に転換できそうだと述べていた。

IHSジェーンズによると、1棟目の隣に13年、同じような大きさの2棟目が完成した。昨年末から今年初めにかけて撮影された衛星写真によると、2棟目の屋根や通気口近くの雪が次第に溶けていったのが分かる。内部で熱が発生し始めたと考えられることから、今年2月には稼働が始まったと推定される。

韓国と北朝鮮の間で緊張感が高まっている

米国のクラッパー国家情報長官も2月、北朝鮮が寧辺のウラン濃縮施設を拡張したとの見解を示していた。

元国連査察官で米シンクタンク「科学国際安全保障研究所」トップのデービッド・オルブライト所長は最近の報告書で、北朝鮮が現時点で10~15個の核弾頭を保有し、2020年までに20~100個に増やす可能性があるとの見方を示した。

米国は北朝鮮との交渉再開の条件として、北朝鮮が非核化に向け行動することを求めてきたが、北朝鮮側はこれを拒否し続けている。

北朝鮮と韓国の間では最近、軍事境界線沿いの非武装地帯(DMZ)で起きた地雷の爆発をめぐって緊張が高まっている。爆発で韓国軍兵士2人が負傷したことを受け、韓国は北朝鮮が休戦協定に違反して地雷を埋めたと非難。報復として、拡声機を使った軍事放送を11年ぶりに再開した。

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