クリントン氏、私用メールサーバーを司法省に提出へ

ヒラリー・クリントン氏。私用メールサーバーを司法省に提出したと広報が発表

2015.08.12 Wed posted at 12:34 JST

(CNN) 米民主党のヒラリー・クリントン氏が国務長官時代の公務に私用メールを使っていた問題で、クリントン氏は私用メールのサーバーと、メールのコピーを保存したUSBメモリーをすべて司法省に提出するよう側近に指示した。広報担当者が11日夕、CNNに明らかにした。

クリントン氏は2016年の米大統領選挙に出馬を表明している民主党の最有力候補。私用メール問題を巡る捜査がこれ以上広がるのを食い止める狙いがあると見られる。

広報担当のニック・メリル氏はクリントン氏の対応について、「政府の調査に協力すると表明しており、まだ疑問があれば今後も対応を続ける」と強調。同氏のメールが安全かつ確実に保管されるよう、国務省に協力していると説明した。

この問題について捜査している米連邦捜査局(FBI)は、11日夕の時点でコメントを避けている。

サーバーはニューヨーク州チャパクアのクリントン氏の自宅にあり、国務長官時代に使っていた私用メールはこのサーバーで運用していた。引き渡しの方法については司法省と協議中。USBは既に提出済みだという。

クリントン陣営によれば、公務関連のメールは国務省に提出した後にすべてサーバーから消去され、残るメールもすべて消去した。このためサーバー上にはメールは残っていないはずだという。

国務長官時代の私用メールの公務利用が問題とされている

側近によると、司法省にはサーバーの履歴を復元する意図はないと見られる。ただ、送受信された当時は機密に指定されていなかったものの、現在は機密扱いになったメールについて、流出が懸念されているという。

私用メール利用問題を巡っては、クリントン氏の信用にかかわるとして共和党側が非難を強めていた。クリントン氏がサーバーの提出を表明したのは、この問題について陣営が危機感を強めている表れと言える。

問題が発覚したのは今年3月。クリントン氏は公務関連のメールをすべて国務省に提出したと説明していたが、これまでサーバーの引き渡しには応じていなかった。

世論調査でもクリントン氏は信用できないとする回答が、信用できるとする回答を約20ポイント差で上回るなど、影響が拡大。7月下旬のCNNとORCの世論調査では、有権者の58%が、次期大統領は誠実で信頼できる人物でなければならないと答えた。

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